メルマガ:205th 「お金では満たせないもの」
【目次】
- 今週の一言/モノリスの活動日記
こんにちは。
門垣です。
先週は急遽、台湾へ。
2年弱ほど前からご縁をいただいてきた海外ファミリーのひとりが、37歳という若さでこの世を去り、そのお葬式に参列しました。
彼は、我々が海外のファミリーと繋がるきっかけをつくり、門戸を開いてくれた存在でもあります。
日本から外の世界へと歩みを進める上で、最初に橋を架けてくれた大切な人でした。
彼の家族は10数年前に会社を売却し、いわゆるビリオネア・ファミリーでした。
けれど彼自身は家族の力に頼らず、自ら起業し、世界を飛び回って仕事に情熱を注ぐ――そんな誠実で優しい人でした。
明るい話ではないので多くは書きませんが、彼は日本が本当に好きで、
日本企業との仕事がしたいと願い、マナーを学び、言語を勉強し、何度も来日しました。
一緒に企業を訪問し、商談を重ね、顧客を紹介し合い、
短い時間ながらも、最も深く関わった海外のパートナーの一人でした。
お葬式で流れたのは「千の風になって」。
故・李登輝氏も好んだその歌に、日本文化との不思議な繋がりを感じ、胸が詰まりました。
どれだけお金があっても、
お金では手に入らないもの、満たされないものがある。
この仕事をしていると、
1億円が10億円になっても、
10億円が100億円になっても、
100億円が1,000億円になっても、
1,000億円が1兆円になっても、
人はそれぞれに不安や悩みを抱えている――そんな瞬間に立ち会います。
一方で、最近ピーター・ティールがこんな言葉を残しています。
「1970年に学生ローンなしで大学を卒業した世代と、ミレニアル世代を比べてみてください。あまりにも多くの人が大学に行き、何も学ばず、重い負債を背負ってしまう。学生ローンは“世代間の対立”の一形態なのです。
文化戦争の80%は経済の問題に、そして経済問題の80%は不動産の問題に還元できる。
厳しい建築規制やゾーニングが続けば、資産を持つベビーブーマーには有利だが、若者には悲劇です。
若者をプロレタリア化しておいて、彼らが共産主義に傾くことを驚くべきではありません。」
人生は「お金ではない」と簡単には言えません。
現実には、お金で解決できることも多い。
けれど、いくら持っていても埋まらないものが確かにある。
――現代に生きる私たちは、資本主義のバランスの中で生きているのだと思います。
人にとって何が幸せで、何が大切なのか。
そんなことを考えさせられた一週間でした。
今週もよろしくお願いします。