メルマガ: 80th 「時間、戦略、成長:経営者が学ぶべき視点」
【目次】
1.今週の一言/876,000時間
2. モノリスの活動日記/英銀バークレイズの戦略
3. 金融コラム/沈む米国 VS 昇る日本
4.経営コラム/日高屋会長、経営者の鏡
1. 今週の一言/876,000時間
こんにちは。門垣です。
今週は、こんなデータに出会いました。
科学オンライン出版物を提供するOur World in Dataが公開した、
アメリカ人の人生の時間の過ごし方です。

人は100歳まで生きるとすると、876,000時間を過ごすことになります。
人生の大半はパートナー、仕事仲間と過ごします。
「何をするか」も大事ですが、
「誰とするか」がもっと大切なのですね。
同時に、家族と過ごす時間はあまり多くないようです。
だからこそ、家族とのひと時を大切に、
と改めて感じた一週間でした。
2. モノリスの活動日記/バークレイズの戦略
Bloombergによると、英銀バークレイズが戦略的見直しで、ボストン・コンサルティング・グループを起用する、
の報道がありました。
コンサルティング費用は17億2,000万円にも及ぶみたいです。
先日、バークレイズのプライベートバンク部門の社長(シンガポール拠点)と、打合せをしました。
2016年にバークレイズは、シンガポールのプライベートバンクBank of Singaporeに部門を売却しましたが、昨年から再度アジアでのプライベートバンク事業に本格参入しているようです。
通常のプライベートバンクは、平均で3 million USDの費用が必須となりますが、バークレイズは10 million USDが必要とのことでした。アメリカのゴールドマンサックスも同じです。
やはりどのグローバル銀行も富裕層ビジネス、特にアジア地域には力を入れてますね。引き続き、世界のプライベートバンクとの関係を構築していきます。
3.金融コラム/沈む米国 VS 昇る日本
先週、米国では金利上昇コスト要因により、数多くの企業が破産しました。
メディア新興企業:バイス・メディア
ホームセキュリティ:モニトクロニクス
ヘルスケア:エンビジョン・ヘルスケア
化学品メーカー:ベネター・マテリアルズ
防災設備:キッドフェンオール
バイオ医薬品:アテネックス
等があります。低金利時代に積み上げた融資や社債が満期を迎えたあとに、借り換えで苦戦を強いられたとのことです。
弊社投資責任者松下より、先週の会員様向けのレポートでも配信させて頂きましたが、今年1月に米国の債務が上限に達したことを受け、財務省が臨時の資金繰り策によりデフォルトを回避するなど、金融市場では緊張感が漂っています。
この状況をチャンスと捉え、世界のハイイールド債(低格付け・高利回り)へ投資をする機関投資家は、満期前に償還されそうな高利回り債券を見つけて比較的安値で購入し、額面、あるいは上乗せで償還されることを狙っています。
債券を発行する企業は、不安定な世界経済を考慮し、起債できる時にやっておこうと考えます。したがって、既存の債券が早期償還される可能性が高くなり、投資家は高リターンを獲得することができます。
一方で、日経平均は3万円台を突破しました。1990年8月1日以来、33年ぶりの高値です。その結果、日経新聞の報道によると、
時価総額1兆円企業は過去最高の157社となりました。
下図は時価総額トップ20社です。

(Bloombergデータよりモノリス作成)
米国が政策金利を引き上げる一方で、日本は物価は上昇しながらも短期の政策金利を据え置き、実質金利が低下。日本は金融緩和をストップしないことから、安心感が芽生え、買われやすい局面にもあるようです。
年初来では、業種別でいうと、下図の通り、電気機器、機械、鉄鋼が上昇しています。これらは、家庭向けの電気料金値上げを許可する政府の方針等が明らかになったことや、半導体への需要がさらに高まっていることが寄与していると考えられます。

(Bloomberg)
さぁ、年末に向かって引き続き日本株は伸びるのでしょうか。また米国経済はどうなるのでしょうか。
みなさんは、どうなると予想しますか?
将来が楽しみですね。
4.経営コラム/日高屋会長、経営者の鏡
中華食堂日高屋を運営するハイデイ日高の創業者神田氏が、自身の
保有株式の一部4億円(約20万株)を、条件を満たした従業員1,100人に無償譲渡すると発表しました。
今回で2回目の実施だそうです。
5月19日時点では、日高屋の時価総額は約880億円です。
神田会長は14.56%保有、金額にして130億円です。
そのうち、約3%を還元するとのことですね。
賛否両論あると思いますが、
本当に、経営者の鏡だと思います。
人は、1人で大きなビジネスはできない。
(AI時代はわかりませんが)
創業パートナー、役員、従業員、アルバイト、あらゆる人たちがいるからこそ、企業は大きく成長する。
だからこそ、自分だけ豊かになるのではなく、関係者と夢や富を分かち合う。
従業員満足を向上すれば、顧客満足が向上する。
裏返せば、従業員がハッピーでなければ、お客様をハッピーにできない。
もちろん、お客様を第一を決して忘れてはいけませんが、
それと同じくらい、従業員を幸せにすることが
大切なんだなと感じました。
今週もよろしくお願い申し上げます。