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メルマガ: 71th 「金融の転機:クレディ・スイスと日本地銀のリスク戦略」 

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【目次】

1.今週の一言/ 週末は修行

2.モノリスの活動日記/クレディスイスからの脱却

3. 金融コラム/皮肉にも、遂に、クレディスイス

4. 金融コラム/日本の地銀 一番のリスクテイカーはどこ


1. 今週の一言/週末は修行

こんにちは。門垣です。

今週は、「メルマガは誰が書いているのですか? ゴーストライターがいるのですか?」と聞かれる機会がありましたが、私が書いています。笑

さて、週末はExcelCampという研修を受けてきました。

日本で1番スキルを磨ける有名なサービスです。

無意識に操作を覚えられるくらいまで反復して練習するため、いままで1時間かかっていた作業が、0.5時間以下でできるようになります。(内容によりますが)

つまり、生産性が倍以上、上がりますね。

99%の企業がExcelを使っていると言われており、日本の中小企業がGDPの半分を生み出していることから、Excelを特訓して、生産性が倍以上なれば、日本のGDPは1.5倍上がります。

自分自身金融IT業界で働いた経験もあり、お客様がとりあえずすぐにシステム導入して失敗してることを目の当たりにてきましたが、その前になぜシステムを入れるのか、しっかりと理由を探し、調査、分析できる人材を育成すれば、よりシステム導入やDXも上手くいくんだなと感じた1週間でした。何事も教育は大事ですね。

2. モノリスの活動日記/クレディスイスからの脱却

クレディスイスのピンチにともない、日本のクレディスイスプライベートバンクにお金を預けている富裕や企業が不安を抱き、他の銀行に移管する流れが見受けられます。

預金だけであれば良いですが、運用している場合、とくにロンバート・ローンを活用している場合、日本の証券会社では対応が難しいため、引き取ってくれるその他のプライベートバンクを探すことがとても重要になります。また、日本だけでなく、世界中で同様の動きが加速すると思います。

この点、モノリスがサポートできる分野なので、
みなさんのお知り合いやご友人で困っている方がいましたら、ぜひご相談ください。

3. 融コラム/皮肉にも、遂に、クレディスイス

昨夜、UBSグループがクレディスイスグループを買収することに同意した、数多くの報道がありました。買収金額は30億スイスフラン(約4,300億円)です。

スイス国立銀行が仲介に入り、迅速な対応であったことが、市場では評価される一方、クレディスイス債約160億フラン相当が無価値になるなど、ポジティブとネガティブな報道があります。

下のチャートは、クレディスイスについて言及しているツイッターの数(上段青)を分析して、ポジティブかネガティブな内容化分析したチャート(下段緑=ポジティブ、赤=ポジティブ)です。

ツイッターは忖度のない市民の声が反映しているため、正直に現状を表しています。かつて、ネガティブが多くなりすぎた会社の株が急降下したこともありました。

(出所:Bloomberg)

さて、皮肉にも、クレディスイスの現会長の名前は、

「Alexl P. Lehmann」です。

最後にnがあるので、全く一緒ではありませんが、

どこかでみた銀行と同じ名前のような…。

今回もLehmannショックです。

今週はイベントが目白押しです。

・20日(月) 日銀総裁の就任

・22日(水) FOMC 利上げか、利上げ停止か

・23日(木) 英国・スイスで金融政策会合

・24日(金) 日本CPI発表

先週もクレディスイスについて言及しましたので、無料のメルマガではここまでにして、あとはWealth Chatや運用助言サービスで詳細をお伝えします。

4. 金融コラム/日本の地銀、一番のリスクテイカーはどこ

先週に引き続き、今週も銀行についてです。

シリコンバレー銀行の親会社であるSVBファイナンシャル・グループが17日にニューヨークで連邦破産法第11条の適用を申請しました。

申請書によれば、資産と負債それぞれ最大100億ドル(約1兆3,300億円)です。

この破綻を発端に、世界の銀行業界の株価が下落しています。

(出所:Bloomberg)

さて、先週のメルマガでは、シリコンバレー銀行は福岡フィナンシャルグループと同等の規模だとお伝えしました。しかしながら、シリコンバレー銀行は総資産に対して、57%は投資をしており、福岡FGは約14%ほどだとお伝えしました。

そこで、本日は、日本のどの地銀が一番運用しているかについて調べてみました。

まずは、地銀の預貸率(預金に対する貸し出し比率)の推移をみてみます。

(出所:東京商工リサーチ)

国内107行の預貸の21年の預貸率は62.1%でした。
チャートで確認いただけるように、年々減少しています。

貸出先が減ってきているため、現金をそのまま眠らすわけにはいかないので、運用しています。

そして、モノリスが調査した81行の中で、最も投資比率(総資産に対して投資をしている比率)が高かった銀行は、山梨中央銀行でした。31.6%です。

投資の内訳

貸し出しの本業で稼げていないことから運用率が高い要因としてとらえることができますが、やはり収益も年々減少しています。5年前のピーク時と比較して、現在は100億円近く減少していますね。

(出所:Bloomberg)

時価総額もかつては1,000億円以上ありましたが、現在は340億円ほどです。

(出所:Bloomberg)

シリコンバレー銀行はベンチャーキャピタルの預金を集めることができていましたが、日本の地方の過疎化が進むにつれて、地方銀行の貸し出し先もなくなり、

悪循環が進みそうですね。このままいけば、さらに地方銀行の統合が進むことになるでしょう。

税制優遇や規制緩和をして、国あげて、日本のビジネス産業を活性化してもらいたいです。

今週も宜しくお願い申し上げます。

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