メルマガ: 158th 「ラグジュアリー市場の縮小/何でもできるは何もできない!?/ゴールドマンサックスの経営」
【目次】
1. 今週の一言/ラグジュアリー
2.モノリスの活動日記/ゴールドマン
3. 富裕層の公然の秘密/ 何でもできるは何もできない
1. 今週の一言 / ラグジュアリー
こんにちは。門垣です。
先週は九州への出張や東京でのイベントなどで一週間を過ごしました。
偶然にも、ラグジュアリー業界の関係者とお会いする機会が多かったのですが、アパレル分野では、1990年代と比較して市場規模が約3分の2に縮小しており、
金額にして15兆円規模から8兆3,564億円になったそうです。
この背景には、中古市場やレンタル市場の活性化、TPOに応じた着替えの減少といった要因があるのかもしれません。
メーカー側の戦略として、スポーツブランドにおいても、ナイキやアディダスのように幅広い層をターゲットとしたブランドではなく、特定のニッチな領域に絞ったブランドを展開するトレンドが生まれています。
例えば、
ヨガでは Lululemon
サイクリングでは Pas Normal Studios
スキーでは Fusalp
ランニングでは Norda
といったように、専門性を強調したブランドが注目されています。
また、ラグジュアリーブランドについては、
「ヨーロッパの貴族や富裕層の文化や服装を、ヨーロッパに憧れるアジアの顧客に販売する」
という従来のビジネスモデルが主流でしたが、
市況の影響を受けやすい特性もあり、
差別化が求められる状況になってきているようです。
特に、高級ブランドのデザイナーが独立して新たなブランドを立ち上げ、特定のターゲット層に向けた高付加価値かつ高利益率のブランドを展開する動きが加速しています。
例えば、最近東京・恵比寿の一軒家を改装して店舗を構えるブランド 「LUMAIRE」 は、
エルメスのデザイナーが独立して立ち上げたものです。
「日常のための服をデザインする」というコンセプトを掲げており、実際に訪れてみると、シンプルで上質な素材が印象的で、素晴らしいと感じました。
ただ、正直なところ、お値段はかなり高いと感じました。こうしたブランドの背後には、株主としてポートフォリオを分散させる超富裕層の存在があり、
これがまた一つの特徴と言えるでしょう。
https://www.elle.com/jp/fashion/a62888047/lemaire-ebisu-2411


2. モノリスの活動日記/ワイン
今週もお客様のプロジェクトの一環で、ワインイベントに参加しました。
ワインやその他ワイン情報については、シャトーのオーナーや現地から直接仕入れることが可能です。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

2. 富裕層の公然の秘密/ 何でもできるは何もできない!?
ゴールドマンサックスのファミリーオフィス向けサービス部門が、サービスをアラカルト方式で提供する、という記事です。
フルサービスのファミリーオフィスは必要ない? ゴールドマンはアラカルト方式を提案(英語)

https://www.financial-planning.com/news/goldman-sachs-offers-a-la-carte-family-office-services
ファミリーオフィスは、資産運用、相続・遺産計画、税務、慈善事業、各種管理業務など、幅広いサービスを提供しています。
シングルファミリーオフィス(超富裕層など特定のファミリーのみを対象に管理を行う会社)の場合、専属の従業員を雇用し、これらすべてのサービスを提供しています。
シングルファミリーオフィスの組織構成の例(英語)

(ウェブサイトより抜粋)
一方で、複数のファミリーに対してサービスを提供するゴールドマンサックスのような金融機関では、顧客ごとに要望が異なるため、運用を主軸としながらも、その時々のニーズに応じて部分的なサポートを行う方針を採用しているようです。
記事によれば、ファミリーオフィスの新たな取り組みとして、以下のような内容が挙げられています。
代替投資(非伝統資産)へのアドバイス
不動産、プライベートエクイティ、プライベートデット、ヘッジファンド、未上場企業投資など
サイバーセキュリティ
Wi-Fi保護に関する基礎知識の提供や、ハッキング時のデータ復旧支援など
遺産管理システムの提供
次世代や慈善事業に資産を引き継ぐためのロードマップを提供
「なんでもできるは、なにもできない」という言葉がありますが、私はこの業界には、この言葉は当てはまらないと思っています。
サービスを提供する側として、まずは自分たちの得意分野を磨き上げ、その分野でお客様の目標や課題を解決することが大切と思っています。
その結果、お客様に満足いただき、サービスを継続的に提供できる体制を整え、会社としても利益が残る仕組みを構築する必要があります。
しかし、特定の分野しか提供できない場合、顧客は以下のように複数のパートナーを探す必要があります。
伝統資産の運用:A社
非伝統資産の運用:B社
税務相談:C社
相続:D社
慈善事業:E社
ラグジュアリー関連:F社
その他
すべての課題に対して個別に信頼できるパートナーを見つけるのは非常に手間がかかります。
もちろん、すべてのサービスをトップレベルで提供するのは容易ではなく、選択と集中がなければ経営は困難です。
それでも、本質的には、ワンストップでサービスを提供できることが最も顧客にとって価値があると感じています。
弊社も運用アドバイザリーからスタートし、徐々にではありますが、ファミリー向けには相続、信託、慈善事業、教育プロジェクトを手掛け、
法人顧客にはM&Aや各種コンサルティングを提供してきました。
主軸サービスは運用でありながらも、
ゴールドマンサックスが述べるように、顧客の多様な要望に応じたソリューションを提供できるよう、さらなるサービスの強化を進めていきたいと考えています。
今週もよろしくお願いします。