メルマガ: 156th 「メルマガ4周年目突入 引っ越し 富裕層のワイン事情」
【目次】
1. 今週の一言/メルマガ4周年目
2. モノリスの活動日記/ お引越し
3. 富裕層の公然の秘密/ 富裕層のワイン事情
1. 今週の一言 /メルマガ4周年目
こんにちは。門垣です。
今回のメルマガで3年目が終わり、いよいよ4年目に突入します。
振り返ると、記念すべき第1号は、モノリスの立ち上げ前の2021年10月に始まりました。(会社設立は2021年7月です)
創業メンバーが前職を退職し、本格的に活動を開始したのは2022年3月頃で、当時はまだサービス構想段階の中で情報発信を行っていました。
右も左もわからない中で、お客様と同じ目線に立ち、従来の手数料ビジネスとは異なる、顧問報酬を基本とした金融サービスを立ち上げようと、アメリカやヨーロッパの最先端ビジネスモデルを参考にしました。
最初はなかなか受け入れられませんでしたが、皆様からの率直なフィードバックをいただき改善を重ねた結果、少しずつ形となり、現在では大きな資産の運用助言を行いながら、さまざまなサービスを提供できるようになってきました。

モノリスを支えてくれている家族、お客様、パートナー、関係者の皆様には、メンバー一同心から感謝しております。
ビジネスなので、厳しい局面も数多くありますが、皆様の応援とサポートがあったからこそ、
今日まで事業を継続することができたと思います。改めて、深く感謝申し上げます。
一方で、まだ十分なサービスを提供できておらず、
改善の余地しかありませんが、
今後はよりスピードを加速させて、【お金にまつわる情報格差をなくし、最良の意思決定をサポートするパートナーであり続ける】というミッションを胸に、
お客様とそのご家族が世代を超えて共に歩んでいけるよう、企業努力を続けてまいります。
2. モノリスの活動日記/お引越し
創業以来3人部屋のオフィスで業務を行ってきましたが、正社員9名、インターン生2名に加え、業務委託やパートナーの方々も増えたため、
同じ目黒アルコタワー内で少し広めの部屋に移転しました。

心機一転、気を引き締めて、さらなるサービス改善に努めてまいります。
- 富裕層の公然の秘密/ 富裕層とワインの関わり方
先月、【第153号 週間モノリス 番外編 フランス出張 - 活動内容のご報告】にも書いたように
フランスのワイナリーを訪問して以降、ワイン関連のご連絡をいただく機会が急増しています。
そこで、本日は富裕層とワインの関わりについて簡単に書いてみたいと思います。
富裕層とワインの関わり
富裕層がワインに関わる方法は、ただ「美味しいワインを楽しむ」にとどまりません。
次のような幅広い関わり方が見られます:
①ワインの実物への投資
②ワインファンドへの投資
③ワイン事業への参入
④ワイナリーの買収
まず、①②の「ワイン実物投資」「ワインファンド投資」では、ワイン取引は相対取引ですが、市場で価格が形成されるため、参入しやすい環境です。価値が安定する名門シャトーのヴィンテージや将来有望なワインに目をつけて投資することで、インフレに強い資産を形成できるため、多くの富裕層がこの分野に投資しています。
Liv-exのワイン価格指数 過去5年では約8.7%の上昇

コロナで需要が膨れ上がったワイン価格は2020年より上昇をしておりましたが、
2023年からは投機的なワイン(ロマネ・コンティ、ペトリュス、ル・パン、ラヤス)にとって厳しい年になり、ワイン市場の下落が加速しました。
2024年からも、前回のメルマガに記載したように、
欧州の金利上昇に伴い、変動金利で借り入れしているワイン会社が経営難に陥り、保有在庫を市場で大量に売却したことから、市場全体の下落が続いており、今年発売された23年ヴィンテージのアンプリムール(先物商品のようなもの)は平均で30%ディスカウントで売られています。
この結果、国際的なバイヤーが活動停止することや、ボルドーの大手ワイン商が従業員を解雇し、比較的市場の大きい中国オフィスを閉鎖するなど、ワイン業界にとっては大ダメージとなっているようです。
一方で、11月頃からは活動が再開し、ワイン消費量は変わらないことから、また価格が上昇する、と予想されているようです。
③のワイン事業参入に関しては、特にテック系経営者がテクノロジーとワインを融合させて新たな価値を生み出そうとしています。 おそらく半分趣味みたいな分野であると思いますが、古き良き産業には大きな伸びしろがあることから、ワイン好きのテック起業家が参入していると考えられます。
マイクロソフトのエリック・レヴィン氏は、セラー管理システム「CellarTracker」を開発。
https://www.cellartracker.com/default.asp

パランティアのアレックス・フィッシュマン氏、PayPalのマックス・レブチン氏、Yammerのデイビッド・サックス氏は、ワインラベルスキャナーアプリ「Delectable」を共同開発。

コンピューターサイエンスのトミー・ノルダム・ジェンセン氏は、ブロックチェーンを活用したデジタルワイン資産プラットフォーム「WiV」を展開。

そして④の「ワイナリーの買収」では、特に超富裕層がワイナリーのオーナーを目指す例が多く、フランス国内のみならず、世界中の富裕層がワイナリー買収に挑戦しています。
- 日本のサントリーは1983年にフランスのシャトー・ラグランシェを買収。
- 2012年以降、中国の超富裕層も200以上のフランスワイナリーを買収。例えば、ジャック・マー氏はシャトー・ドゥ・スールを買収。
- イギリスの不動産王ニック・キャンディー氏はシャトー・ラ・コスト・ルージュを購入。
- Facebook創業者マーク・ザッカーバーグもワイナリーを所有。
ただし、ワイナリー経営には莫大な維持費がかかるため、長期にわたっての運営には資本力が求められます。さらに、質を高めるだけでなく、ブランド価値を上げた販売・マーケティング戦略も重要です。おそらくほとんどのワイナリーの経営は厳しい状態だと思いますが、フランスで聞いた話によると、ある格付け1級シャトーは、営業利益率60%以上を誇るケースもあり、資産家や超富裕層にとって非常に魅力的な投資対象、及びワイナリーを所有するというステータスとなっています。
ワイン市場の最近のトレンド
先週の会食で初めて中国ワインを味わう機会がありました。試した2種のうち1つは、フランスとアメリカのワインを足して2で割ったような、重めの味わいで日本人の嗜好に合いそうでした。

「LVMHが標高2600mで造る5万円の1本も。『中国ワイン急成長』の実態」という記事にもあるように、中国のワイン市場への注目が集まっています。
https://forbesjapan.com/articles/detail/73230

ワイン消費量で世界第8位を誇り、ワイナリー数は800を超える中国。これは日本の約1.5倍にも及びます。こうした背景から、レミー・マルタンやペルノ・リカール、カステル、LVMH、ロートシルト、ペンフォールズといった名だたる企業が積極的に中国市場へ投資を行っています。
さらに、日本へのワイン輸入量も2022年と比較して255%増、金額ベースで189%増と急成長を見せており、国内の高級レストランでも中国ワインが採用され始めていると報道されています。
広大な国土を持つ中国には、ワイン造りに適した地域(雲南省、新疆ウイグル、山東省、寧夏回族自治区)が点在し、国内でのワイン生産や消費が増加しています。
アメリカのような状況に近づいているといえるでしょう。賛否両論はあるものの、どのビジネスや分野においても桁外れの投資を行い、驚異的なスピードで世界レベルの産業を築く中国は、一種のイノベーターとも言えます。日本とは対照的なその姿勢には刺激を受けます。
毎週のように中国の富裕層から仕事の依頼や相談をいただく機会がありますが、そのスピード感には圧倒されることが多々あります。
果たして中国ワインも、フランスワインのように世界的に価値あるブランドへと成長していくのでしょうか。
今後の中国ワイン市場からも目が離せません。
どうぞ今週もよろしくお願いいたします。