メルマガ: 139th 「富裕層のお金の使い道と人生の過ごし方/人口3,800人の離島にて」
【目次】
1.今週の一言/モノリスの活動日記
1. 今週の一言&モノリス活動日記/人口3,800人の甑島にて
こんにちは。門垣です。
先週は、東証プライム上場のエス・エム・エス創業者で、現在は一般財団法人雲孫財団を運営する諸藤さんの主催のもと、鹿児島空港から、バスで1時間、さらにフェリーで1時間をかけて、
人口約3,800人、日本の縮図ともいえる離島
甑島(こしきじま)に二泊三日で行ってきました。

資本主義社会を駆け巡り、日々ビジネスに奮闘する
弊社のお客様1組を含めた、経営者約15人と訪問。
テーマは、
【株式会社や資本主義にとらわれた私たちが、人口減、高齢化社会に直面している
日本の縮図の離島を垣間見ることで、日本の未来と自分の人生を考える】
ことだったと思います。
甑島では、島出身で社会起業家である山下さんの企画により、島の歴史、文化、暮らし方、
課題、各取組等のプレゼンを、テーマに合わせて、島をバスや歩いて移動しながら、6つほど聞かせてもらいました。

甑島は、鹿児島県に属しており、
鹿児島と言えば薩摩・島津家です。
鎌倉時代から、明治に至るまで約700年間南九州を収めていました。
そんな薩摩藩が番所を構える甑島では、
鎖国が浸透する江戸時代に、中国やその他イギリスとの密輸を行い、
やがて幕府の許可を超えた取引を活発に行うようになり、外貨を稼いで、勢力を拡大していったと言われています。
下の写真は、密輸をしていたナマコがとれる沖。

そんな幕府から一目置かれる地域でしたが、
現在、島は、少子高齢化、人口減少に悩まされています。
高齢化率は日本の平均30%を超える約50%。
村には、空き家が増え、医療従事者はごく少数しかいません。
また、高校もありません。
そのため、子どもが育ってからは、
鹿児島本島で教育を受けたりしているようです。
まさに日本全土が直面している課題を、
いちはやく経験している島の1つであり、
これからの未来を創出していくために、
山下さんは様々な取り組みで、
社会実装をされています。
空き家を改装しカフェや民宿をつくったり、
身体障碍者の方に向けたユニバーサルツーリズムを行ったり、
まるで住宅のような宿泊施設をつくったり、
島の伝統楽器【ごったん】を活用した音楽を普及させたり、
甑島と似た離島に訪問し、同士を集め、経済圏を創出するなど、
その他、島を存続させるための活動を行っています。

一方で、沖縄の宮古島、石垣島、
鹿児島の奄美大島等の離島は、
観光地として繁栄しています。
しかしながら、
甑島はそのような観光地を目指すのではなく、
目的地になりたい、とのことでした。
観光地はエンタメもあり、自然で癒されるも、
結局なんだか疲れてしまう。
甑島は、観光地と比較して、
遊べる場所や施設が少ないけれども、
この島に来ることで、
何か自分のアイデンティティ、日本の未来、
自分の人生を考える、そんなような居場所を目指している
ように感じました。
沖縄本島では、来年25年にテーマパーク JUNGLIAが開業されたり、もしかしたら名護に空港ができたりするなど、県外や国外からの人々を誘致し、経済的にも潤うようにしていますが、
その反面、沖縄の綺麗な景観が消えてしまったり、
文化も薄れるようなデメリットも存在します。
しかしながら、何もしなければ、
衰退していくだけです。
だからこそ、
「何を大事にしたいのか。何を守りたいのか。」
を考えることが、甑島に限らず、島国日本で生まれ育ったわたしたちの
テーマだと感じました。
そして、「どのように共創していくのか」が
これからの離島や日本列島を
繁栄させる問いであることも、再認識しました。

(一泊だけ奄美大島にも行ってきました。早朝の朝日です)
個人的には、
日本には歴史と文化があると思っています。
国としても、ビジネスを行う身としても、
日本の歴史と文化を守り、大切にしながらも、
宇宙や世界で生き抜いていくために、
アメリカのように進化を繰り返すことが
重要だと思っています。
最後に、資本主義の権化である
金融業界や都会でビジネスを行う
人達が、目先の利益だけではなく、
10年、100年先の未来を考えながら、
自分たちのお金や時間の使い方のテーマを考えることができる
このようなイベントを開催していただいた諸藤さんや関係者、
ご招待してくださり、日々お世話になっているプライベートバンカーの方に
感謝したいと思います。
また、弊社として、国内外の
富裕層経営者のお金の使い道、
財団で実際に行っている活動内容も
共有しながら、支援できればと思っています。
今週もよろしくお願いいたします。