メルマガ: 131th 「週間モノリス クロスボーダー最近感じたこと/米投資家がマグニフィセント7を売却/次に購入した株式銘柄は?」
【目次】
1.今週の一言&モノリスの活動日記
2. 金融マーケット/米投資家がマグニフィセント7を売却 次に購入した株式銘柄
1. 今週の一言&モノリスの活動日記/
こんにちは。門垣です。
今回は、今週の一言と活動日記をまとめてみます。
日本全体が変わってきたのか、
我々に話が舞い込んできているだけなのか、
最近は事業にしろ、投資にしろ、国境を超えたクロスボーダー案件が多くなってきていることを実感しています。
日本の中小企業やスタートアップは、
海外投資家から資金を募る。進出もする。
海外企業は、日本企業の買収へチャレンジする。
日本の大企業は、海外企業への出資、あるいは資本提携で海外市場を開拓する。
ざっくりと、このような循環が構築されています。
今に始まったことではなく、昔からの構図ですが、
より鮮明に、より大量のプロジェクトが世の中で走っている気がします。
そこで日本企業が世界で飛躍するために感じたこと。
1つは、日本企業が海外で勝つためには、わかりやすい技術や物が必要。
これは日本の強みでもあります。
言語のスキルや営業力、マーケティング力は日本は世界と比較しても圧倒的に乏しい。
例えば、中国市場での日本企業の商品は、ほとんどが競争に負けている状態。
ほとんどの駐在員は高い給料や手当をもらっているため居心地がよく、努力が少ないみたいです。
現地に長年住んでいても、日本人コミュニティだけで生活しており、言語もままにならないとか。
そもそも中国市場が飽和していることもありますが、
日本企業は頑なにパッケージやマーケティングを変えようとしない。
ありのままを貫き通す。 つまり、「郷に入っては、郷に従え」があまりできない性格。
中国だけではなく、他の市場でも同様。もちろん海外で成功している不動のTOYOTA自動車等の企業も多くありますが、まだまだ少ないと感じます。
もう一つの課題はスピード。
意思決定を早くすることが、海外で勝つための鍵。
先日、とある日本の大企業が、海外市場で苦戦しているため、海外企業が持つファンド/事業へ出資をして提携をするか否か、の打ち合わせに同席をしました。もちろん大企業なので、社内稟議等が複雑だったり、関係者が多くいるため、時間はかかります。会議の数は二桁近くに。
しかしながら、客観的に、「それ聞いて、どうするの?」みたいな余計な質問も多い。
丁々発止の議論であればウェルカムであるが、ポイントがずれると海外企業も呆れる。
前職時代、私は日本最大のフィナンシャルグループを5年間担当していましたが、
エグゼクティブ会議では、ネクタイの色まで質問してきたり、指定してきたりしていました。
エクセルに記載されている質問も100個以上あります。
オーナー企業であれば日本も意思決定が早いですが、
おそらく意思決定の基準、原理原則的なものがないのでしょう。
いずれにせよ、日本経済が縮小していく中で、
産業によりますが、海外企業とは切って切れない関係へ。
日本企業にも数多くの強みがありますので、自社の強みを理解しながら、現地に溶け込み、
不屈の精神で遂行していくことが世界で勝つため、外貨を稼ぐ上で大事な鍵になりそうです。
2. 金融マーケット/資産家ドッケンミラー氏の利益確定、新しく購入した銘柄
「マグニフィセント7を売却」資産家ドッケンミラー氏ら利益確定
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-16/SDKY6DT0AFB400
元ヘッジファンドマネージャー、Duquesne Capital(現在は閉鎖)の創業者であるドッケンミラー氏が自身のファミリーオフィスで、エヌビディアを売却。また別の富裕層投資家デービット・テッパー氏もアマゾンドットコム、マイクロソフト、メタの持ち分を減らした。
マグニフィセント7は、アメリカを代表とするテクノロジー企業の総称。
アルファベット
アップル
メタ
アマゾン
マイクロソフト
テスラ
エヌビディア
が含まれる。
さて、今回は上記の銘柄を売却した投資家が、
次にどんな銘柄を購入したか調査してみる。
マグニフィセント7を売却した機関投資家
まず初めに投資家を調査。
機関投資家で上記銘柄の保有数を減らしている会社は840社あった。
機関投資家の内訳は以下の通りだ。
運用&助言会社74%、ヘッジファンド17%で多くを占める。

(Bloombergデータよりモノリス集計)
ヘッジファンド141社のうち、上記の3銘柄以上の保有額を減らした会社は20社ある。

(Bloombergデータよりモノリス集計)
先週のメルマガで言及したコーエン氏のPoint72も一銘柄売却している。
次に購入した銘柄は
上記のヘッジファンド20社が新しく購入した銘柄を調査してみる。すべてを記載すると長くなるため、5社のみ共有。
①社名: Nebula & Research & Development
概要: NYベースのクオンツ(高度な数学計算式を活かした運用手法)ヘッジファンド
クオンツであるため、大量の株を売り買いしている。
3/31に報告され、新規で購入した銘柄は500社以上だ。中でも、一番増やした銘柄はカナダの本社の金生産・採掘会社B2ゴールドだ。
②社名:AIGEN INVESTMENT MANAGEMENT
概要:元モルガンスタンレーの株式電子取引チーム出身が運営するヘッジファンド
こちらも3/31以降400社以上の保有割合を増やしている。最も割合を増やした銘柄は、米ヒューレッドパッカードだ。
③社名: Quantative Investment Management
概要: バージニア洲拠点のクオンツヘッジファンド
米NY本社のグリーン水素会社プラグ・パワー社(PLUG US Equity) の保有数を最も引き上げた。
④社名:WEISS ASSET MANAGEMENT LP
概要:30年の歴史がある、米国のバリュー投資ヘッジファンド
こちらも個別銘柄で直近一番割合を増やした銘柄は米ヒューレッドパッカードだ。
その次に多いのは、米国のヘルスケア施設の買収・開発に従事をする不動産信託会社のメディカルプロパティーズトラストだ。(MPW US Equity)
⑤社名:EISLER CAPITAL UK LTD
概要:元ゴールドマンサックス出身のエドワード氏が立ち上げたイギリス拠点のファンド。
食料雑貨を扱うショッピングセンター等を保有する不動産信託会社米キムコリアルティに投資。個別銘柄では、カナダの鉱山会社でウランの発掘、開発、採掘等を手掛けるカメコへ投資。
今週もよろしくお願いします