メルマガ: 127th 「日本の強み日本刀/シンガポール最大のマネロン事件/10年ぶりに海外投資家による日本株買い」
【目次】
1.今週の一言/日本刀
2.モノリスの活動日記/先週のコンテンツ配信
3. 記事にコメント/シンガポール最大のマネロン事件
4. 金融マーケット/海外投資家の動向
1. 今週の一言/日本刀
こんにちは。門垣です。
今週も色々なご縁がありました。
特に面白かったのは、日本刀とそのビジネス。
DMMグループが開発している日本刀を男性に擬人化した【刀剣乱舞】。漫画でも、アニメでもなく、ゲームから始まったこの作品は、すべて実在する日本刀の名前をキャラクターに割り振り、現在はイベントやミュージカルも行って大盛況のようです。
なんと、ファンのほとんどはZ世代の女性。彼女たちは日本刀の名前を覚え、歴史や豆知識を
語ることができ、喋りだしたらとまらないようです。
おかげ様でミュージカルはすぐに完売。
予約もなかなかできないみたい。
ビジネスに関してですが、
今までは日本刀市場は小さかったみたいですが、
刀剣乱舞の活躍、そして海外富裕層からの人気により、
瞬く間に成長しているとのこと。
趣味として、資産として購入される方が多いようで、
一般的なアート(絵画)と比較すると、かなり高くても数億円、普通のもので数百万円であるため、今後かなりの価値向上が期待できそうです。
ちなみに、銃弾も真っ二つにするのが日本刀。
世界に打って出る日本の強みは、
日本の誇り、日本ならではの歴史あるものだなぁーと感じた一週間でした。
2. モノリスの活動日記/先週のコンテンツ
先週の配信コンテンツは以下の通り
①ポッドキャスト 中国ファミリーオフィス事情
②84号 自動車業界におけるEV化の破綻兆候とHVを強みとするトヨタの躍進
③85号 今週の株価変動を踏まえての注目銘柄
④ポッドキャスト金融ウィークリー
https://monolith-holdings.com/news

3. 記事にコメント/シンガポールの最大マネロン事件
シンガポールを揺るがした20億ドルのマネーロンダリング事件 The $ 2 billion dirty-money case that rocked Singapore (英語)
https://www.bbc.com/news/world-asia-66840450

業界では有名であったが、英メディア大手BBCが報じたシンガポールの最大級のマネロン事件。
犯罪活動から22億ドル(約3,400億円)を資金洗浄した10人の中国人へシンガポール裁判所が判決をくだした。複数の銀行、不動産代理店、貴金属、ゴルフクラブを巻き込み、152の不動産、62台の車、高級バック、時計、数百のジュエリーやアルコールが含まれていた。
数人の犯人は投獄され、残りは判決待ちの状態。彼らは、詐欺やオンラインギャンブルから資金を得て、カンボジア、ドミニカ、キプロス等の複数のパスポートを持ちながらマネロンを繰り返していた。
シンガポールへの海外富裕層からの資金流入は、2017年から2022年で2倍になり、4350億シンガポールドル(約49兆円)の流入があった。アジアのファミリーオフィスの半分以上がシンガポールにあるといわれている。
海外からシンガポールへの資金流入額

中国以外の国は、比較的容易にシンガポールにお金を持ち出すことができるが、中国は人民元で稼いだお金を海外に持ち出すことができないため、合法な手段を用いて、シンガポールに持ち出す必要がある。海外で事業をすることや海外市場で上場させるなどが一般的な手法であるが、様々なテクニックを用いて、移動させている人が多い。
例えば、すでにシンガポールに住んでいる友人に事業としてお金を貸し付けて、金利を国外で稼ぐ等、いわゆるシャドーバンク的なものだ。一歩間違えれば、マネロンになるため、中国本土でちゃんとしたビジネスをしている人たちは、綿密な調査を行ってから、ブラックにならないように気を付けて実施している。
前回の中国出張から、日本への投資で様々な質問や要望がとんでくるようになったが、中国の悪いイメージをつくってるのはほんの一部の人達であり、全うにビジネスをしている人たちからしたら、いい迷惑だ。特に不動産とM&Aは興味深いみたいだ。
我々としても、事件に巻き込まれないように、気を付けながらサポートしていきたい。
4. 金融マーケット/海外投資家の売買動向
コロナ以降は海外投資家の日本株への投資は激減していたが、今年から、10年ぶりに日本株への【買い】が集まっている。

(出所:Bloomberg)
ウォーレンバフェットが顕著な例であるが、円建て債券を発行し、円を調達して日本株に投資をしている。
他のヘッジファンドも同じだが、ドル建て資産を保有するファンド会社は、円を借りて、日本株へ投資をすると、事実上ドルのリスクヘッジにもなる。
ドルが強くなれば、円に投資をしているためドル建ての価値は下がる可能性があるが、円が良くなった場合は、
借り入れコストが減少する。また、グローバルの株式市場に投資をすることで、カントリーリスクを軽減することができるからだ。
中国のテンセント出身の創業者で、米国シリコンバレーに2018年に誕生したオンライン証券【富途證券 Futo Holdings】はナスダックに上場しているが、つい最近この会社が提供するアプリにて日本株へ投資できるようになった。
Futo Holdingsは 日本でいうとSBI証券や楽天証券である。
これらの会社と比較しても、業界最低水準の手数料で、売上を拡大している。
メイン顧客は中国の新富裕層でありユーザー数はグローバルで2100万人以上もいる。したがって、機関投資家のみならず、個人投資家も含め、今後ますます日本株へ資金が流入することが予想される。
今週もよろしくお願いします。