メルマガ: 124th 「今月から日本株強化/日本でも未上場株投資が盛んに/一番上昇しているコモデティ商品は何か」
【目次】
1.今週の一言/教育
2.モノリスの活動日記/今月から
3.さくっと先週のマーケット/嵐の前の静けさ
4.ニュースにコメント/バンカーの給与事情
5.金融コラム/コモデティ価格上昇
1. 今週の一言/教育
こんにちは。門垣です。
最近、お客様や関係者の方と打ち合わせをしているときに、必ずと言ってよいほどでてくる話題は教育。
子供に、どこの学校に通うか、何を学ぶか、
どのような人に育ってもらいたいか、
自由奔放にしたいか、人によって、
見ているポイントが異なり、
とても面白い。 こんな背景から、
海外のボーディングスクールへの留学を支援している会社との打ち合わせも増やし、
情報発信も含めたサービスを強化することになった。
ふと、
自分のことに置き換えて、海外留学して一番良かったことはなにかなぁと考えましたが、
やっぱり一番は【友ができたこと】。
国籍や所在地問わず、今でも繋がっていて、
ご飯を食べたり、
ときには仕事も一緒にしたりもする。
また、先日スイスのボーディングススクールへ
の留学支援をしている会社の代表の方と打ち合わせとしたが、驚いたことに、その方は自分の前職で一番お世話になった上司の妹さんだった。
ご縁ってすごい。と感じた一週間でした。
2. モノリスの活動日記/今月から
今日から4月に突入。
本当に時間が経つのが早い。
弊社の期初は3月から始まっているが、今年も人材、テクノロジー、情報への積極的な投資を行い、
サービスを強化していく。
助言ビジネスにおいて、今月からは、
日本株に関する情報発信を増やしていく予定。
タイミングがきたら諸々発表していきたい。
3. さくっと先週のマーケット/ 嵐の前の静けさ
今週は、大きな動きのない、静寂な一週間だった。
米国市場に関して、S&Pは0.39%の上昇。四半期末を前にした保有ポジションの調整や利益確定と思われる売りが発生し、27日の+0.86%を除いては緩やかな市場であった。スポーツブランド用品でカナダに本社を置くルルレモン(日本では銀座や六本木に店舗がある)が、10-12月期の前年同期比売上16%の増の4,800億円、通期の売上高は19%増加の約1兆4,500億円と発表したが、今後の需要鈍化により一週間の騰落率は-18.42%と、S&P指数の中で最大の下落銘柄となった。
ちなみに、最近私も私服でも着れる運動着上下セットアップを購入したが、かなり軽くて着心地がよい。しかし価格が高い。ユニクロやNIKE感覚では購入してはいけない。
市場に関しては、為替介入の警戒に加え、年金などの機関投資家が保有ポジションを調整するために売却し、配当権利落ち分以上に下落し、日経平均は-1.27%となった。26日に発表された公示地価が33年ぶりに上昇し、不動産株が上昇した。

(Bloombergデータよりモノリス作成)
4.ニュースにコメント/バンカーの給与事情
東京のバンカー報酬は香港やNYに及ばず、市場活況で仕事量増加でも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-03-25/SAODYIT0G1KW00
東京で働くバンカーの報酬が、23年のボーナスは平均して約10%減少したと推定されており、香港やシンガポールで働く同僚と比較して数分の一になっている、との報道。
昨年はボーナスが低くなると予想し、それだったらお金をもらわずに、早く辞めて新たなチャレンジをした方が良いという決断をした人もいたようだ。
サラリーマンであれば、普通の業界と比較して、圧倒的に稼げる金融業界であり、外資系証券会社のトレーダーの年収は1億円弱にも達する人もいるが、それでも不満がでている。最近は、3年-10年程度外資系金融機関で経験を積むと、スタートアップや他の業界に行く人も多い。また、ベテラン勢は報酬が高すぎるため、解雇になることも多々あり、地方の金融機関に転職する傾向もある。お金も大事であるが、結局はワクワク感や好奇心を満たせる、そんな仕事を求めるのであろう。また経験豊富なベテランから若手に変わっても、グローバルでみると、会社の収益はたいして変わらないことも事実だ。
野村、プロ投資家に未公開株販売 新興の資金調達支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB2748P0X20C24A3000000
野村證券が、プロの投資家や富裕層向けに未上場株式の個別銘柄販売を始めた、との報道。
記事にもあるが、未上場株に関して、公募投資信託(上場株)に組み入れることが認められるなど、スタートアップ企業の資金調達にとっても追い風となっている。
過去に未公開株事件が多発してから静まり返っていたが、再度大きなトレンドが生まれそうだ。海外では、未上場株のセカンダリ-市場(流通市場)が形成されており、未上場株でも人から人への売買が盛んに行われている。特に米系のプライベートバンクでは、米国のスタートアップ企業と密接に動いているため、有名な企業の話が舞い込んでくる。例えば、昨年モルガンスタンレーを訪問したが、その際はChat GPTを手掛けるOpen AI社の株式を提供していた。弊社でも、日本のスタートアップや中小企業からの資金調達の依頼も増えており、積極的に情報収集をしている。
5.金融コラム/コモデティ価格急上昇、一番上がっているものは何か!?
世界中でインフレが高まったことや、サプライチェーンが乱れたことで、コモデティ価格が急上昇している。
私生活においても、スーパーや飲食店は、数年前には考えられなかったレベルで高騰。
東京で食べる定食は1,500円近くするし、ブランドがついたウィスキーは入ってこないし、入ってきてもホテルでもないのに1杯数千円はかかる。葉巻などの嗜好品もコロナ以降は激減。
政府は物価上昇を上回る賃上げ実現を目指して政策を打っているが、時間はかかるだろう。
一般市民のお財布にダメージとストレスを与える環境はまだまだ続くであろう。
そこで、本日は商品先物の価格を調べてみた。
※商品先物は、将来の特定の時点で特定の商品を、あらかじめ決められた価格で売買する契約の市場のこと。
直近1年間で、価格が圧倒的に上昇した商品は、
「ココア」だ。投資リターンでいうと驚異の234%。2番目のオレンジジュースは36%。

(出所:Bloomberg)
西アフリカの主要生産者の、病害虫や温暖化による影響により、カカオ豆不足が3年も続き、需給バランスが崩れ、価格が上昇している。
価格推移をみるとこんな感じだ。数年前を比較すると5倍にもなっている。

(出所:Bloomberg)
次に、カカオ関連企業と株価を調べてみた。
グローバルで一番株価が上昇した会社は、トルコの食品加工会社【Kent Gida Maddeleri Sanayii】だ。製菓製品、チューインガム、チョコレート、ココアなどを製造している。
先日、東京ビッグサイトで開催された国際食品・飲料展に参加したが、トルコのブースはかなり数が多く、地理や気候条件に恵まれた環境を活かして、様々な食品を展開していた。ドライフルーツも有名である。
株価は、年初来で164%も上昇している。

(出所:Bloomberg)
最後に、日本の関連会社はどうなのか調べてみた。
創立1906年、100年以上続く兵庫県神戸市に本社を置く、2750 JT Equity 【石光商事】は、コーヒー豆、紅茶、ココア、酒、缶詰等の食品を輸入販売している。
時価総額は92億円、前期売上高は589億円、営業利益率2%の会社であるが、カカオ高騰により直近3年の平均売上高成長率は15.6%と急成長している。
売上高推移

(出所:Bloomberg)
さて、株価はどうなのか。年初来で約49%のリターンと圧倒的なパフォーマンスを見せている。

(出所:Bloomberg)
大手企業である丸紅やキーコーヒーが株主にもなっているが、まだまだ個人投資家が多い。今は時価総額や流動性が低いため、このような状況であるが、売上が増加し、新しいビジネスが展開され、時価総額が大きくなっていくと、より市場から注目されるかもしれない。
今週もよろしくお願いします。