メルマガ: 120th 「暗号通貨ドリーム/年収10億円/新出会い/ファミリーオフィスの動向」
【目次】
1.今週の一言/新しい出会いは素晴らしい
2.さくっと先週のマーケット/日銀利上げはまだ早いか、暗号通貨急上昇
3.富裕層の公然の秘密/元モルガンスタンレー/年収10億円、ファミリーオフィスの動向
4.金融コラム/暗号通貨ブームの再到来? これからが本番!?
1. 今週の一言/新しい出会いは素晴らしい
こんにちは。門垣です。
今年は、業種問わず、
新しいご縁をたくさんつくることを
テーマの一つに生きているのですが、
今週も、素晴らしい新しい出会いが
8人ほどありました。
金融業界では、とあるアジア(中華系)のヘルスケア・
消費財・高級ブランドに特化した
VC(ベンチャーキャピタル: お金を集めて、
ベンチャー企業に出資をする会社)の
創業・社長との縁がありました。
元々一族で消費財やコスメの
パッケージ会社を経営していたみたいですが、
ファンドに売却し、4桁億円規模の財を獲得。
そのお金を様々な有名ファンドに入れて
運用していたみたいですが、
どれもピンとこず、だったら自分たちのノウハウ、
ネットワークを活用して、
素晴らしいファンドを組成した方がよいと思い、
数年前に立ち上げたみたいです。
笑いながら「もう働かなくていいんじゃないか? それに他の投資家のお金を集める必要もないんじゃないか?」と聞いたら、
「自分たちが培ったエコシステム(周辺領域のサプライチェーン、包装技術、販売網を活かしてこのファンドの素晴らしさを広めていきたい」と熱く語っており、
自分の資産もファンドにたくさん入れて活動しているため、説得力もありました。
資産を持っている人の中でも、
生きがいがある人とそうでない人がいるため(富裕層ご自身でよく言っているケースも多い)、
この違いはどのようにして生まれているのかなぁと
考えた一週間でした。
2. さくっと先週のマーケット/ 日銀利上げはまだ早いか、暗号通貨急上昇
先週は、暗号通貨一強の週となった。
米国市場では1月のPCEデフレーター(米商務省が毎月末に発表している個人消費の物価動向を示す指標)が前年同月比2.8%上昇、市場予想と一致する結果となり、インフレ懸念が後退。日本市場においては、植田日銀総裁が2%の物価目標実現において、「見通せる状況に至らず」と発言したことを受けて、こちらも日本の利上げに関して時期を後退させるとの観測が強まった。
また、ウォール街からの莫大な資金が暗号通貨へと流れ、先週一週間だけでビットコインの価格が20%上昇する結果となった。円ベースのビットコイン価格は930万円を突破し、過去最高値をつけている。
ビットコイン価格推移(円ベース)

(出所:Bloomberg)

(Bloombergデータよりモノリス集計)
3.富裕層の公然の秘密/元モルガンスタンレーのトレーダー
元モルガンスタンレーのトレーダー、富豪一族のファミリーオフィスに加わる(日本語)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-29/S9LVKAT1UM0W00
元モルガンスタンレーの為替トレーダーが、ブラジルの大富豪一家 モレイラ・サレス家のファミリーオフィスであるブラジル・ワラント社に転職したとの報道。モレイラ・サレス家は、4兄弟で約4兆円の資産を保有する一族で、銀行業やエネルギー関連企業など様々な事業を手掛ける。ブラジル・ワラント社は、サンパウロとニューヨークで数十人の従業員を雇用し、株式、債券、プライベートエクイティ、コモデティ、為替などを運用し一族の資産管理を行っている。
ウォール街の人材を雇用する場合、ポジションや経験値にもよるが、1人を雇用をするために数億円以上の年収が必要になる人材も少なくない。入社数年でも数千万円の年収がたくさんいるため、ファミリーオフィスを運営するためのコストも上がっている。最近ではロックフェラーのファミリーオフィスがモルガンスタンレーのウェルス部門から10人を雇用したりするなど、大きな人材投資をしている。
またとある米系のヘッジファンドの日本拠点が日本株のファンドマネージャーのポジションを10億円の年収で募集している。サラリーマンで10億円である。他の業界と比較するとありえない金額だ。一方で、雇用される側は、いままでは大手銀行の看板や環境を武器にお金を稼いでいたが、独立系のファミリーオフィスや運用会社に行くと、
本当に実力がないとやっていけないことも確かだ。
日本でもファミリーオフィスの文化が浸透するとなると、優秀な人材の採用が勝負の鍵となる。ちなみに、このモルガンスタンレー出身のトレーダーは、チアゴ・メルツァーであるが、通貨デリバティブの取引で不適切な取引、及び社内で認められていないコミュニケーションツールを活用したとして、2019年にモルガンスタンレーから解雇されている。
ファミリーオフィスのポートフォリオ動向
コークファミリー ブルックリンネッツの株式購入に向けて交渉中(英語)
エネルギーコングロマリット事業を手掛け、アメリカで2番目に大きい未上場同族経営企業を所有するコーク一家が、NBAのブルックリンネッツの株式を購入するために動いているという報道。一家の資産は推定で1,150億ドル(約17兆円) 富裕層がスポーツチームを所有するのは万国共通だ。
デル創業家のファミリーオフィスDFOマネジメント、プライベートクレジットへ投資(英語)
デル創業家のファミリーオフィスが、ゴールドマンサックス出身の二人が立ち上げた5Cインベストメントパートナーズに資金提供するとの報道。先週のメルマガに引き続き、プライベートクレジットへの熱が冷めない状況だ。
4.金融コラム/暗号通貨ブームの再到来? これからが本番!?
今年に入ってから、ビットコインETFが
米国市場で取引されるようになりました。
今までは個人投資家のお金がメインでしたが、
ETFの取引に伴い、
機関投資家のお金が大量に流入しています。
その結果、ビットコイン価格は上昇し続け、
過去最高値をつけています。
ビットコイン価格推移(USD) 6万2000ドル突破

(出所:Bloomberg)
ビットコインはインフレ対策をおこなうために、
発行枚数には上限が設定されています。その数は2,100万枚といわれており、発掘量が2,100万枚に到達する時期は、2140年と言われています。
マイニング(発掘)によって発行されていますが、
現在では、約10分間に1枚(BTC)発掘されていると計算されています。
Coinmarket Capのデータによれば、
現在世界中で、約1,964万枚発掘されています。したがって、上限が2,100枚であるため、約93%がすでに市場に出回っている計算になります。
3/1付の直近のビットコイン価格(円)は9,396,550.であったため、単純計算で184兆円の市場規模ということになります。
東京証券取引所の時価総額が980兆円程度であるため、ビットコイン市場は約1/5の規模ということがわかります。
ビットコインETFに1.1兆円(7.5 billion USD)の資金が流入

(出所:Bloomberg)
チャート上段: ETF別の合計資金フロー
チャート下段: ETFへの資金流入・流出フロー
この2カ月間弱で、機関投資家のお金が1兆円以上ETFに流入しました。
この勢いは止まることなく、増え続けています。
特に米ブラックロック社が運営している
ISHARES BITCOIN TRUSTには、約7週間で$ 7,756 million(1兆円)ほど流入しました。
これだけの金額が短期間で動いているため、
ビットコイン価格が上昇しますね。
ETF別資金流入フロー

(出所:Bloomberg)
ETFの合計額は6.7兆円(45 BIllion)へ

3/1日時点では、合計で6.7兆円ほどのお金がビットコインETFに流入しています。
ビットコインの時価総額が184兆円であるため、約3.6%流入していることになります。
今後も機関投資家のお金が流れることになると思いますが、価格に関しては下落する可能性があるとも言われています。
その理由の一つはビットコインの「半減期」です。
ビットコイン「半減期」とは何か-価格上昇につながるか
記事にもありますが、半減期とは、ビットコインのマイナー(採掘者)が受け取る報酬を半分に減らすことです。この半減期は4年に一回行われています。今回の半減期は今年の4月に実施される見通しがあります。
一般的には、半減期の後は供給が減少するため、需給バランスが崩れ、過去3回の半減期後はビットコイン価格が急上昇する結果となりましたが、今回に関しては、下落するのではないか、との見通しがあります。
「ビットコインは半減期後に4万2,000ドルまで下がる可能性がある」JPモルガンが指摘
JPモルガンはビットコインの発掘コストは価格の下限として機能するようになっていると分析をしています。つまり、今回の半減期を迎えると、発掘コストが上昇し、4万2,000ドルになる。また、これがビットコイン価格の下限となるとの見解です。
JPモルガンのCEOジェイミー・ダイモン氏が暗号通貨に対して怪奇的な立場をとっているため、市場に反して、このようなネガティブ発言をしている可能性もあります。
また、ビットコインだけではなく、
イーサリアムのETF承認も噂されていることから、
暗号通貨はますます注目を浴びることになるでしょう。
今週もよろしくお願いします。