メルマガ: 112th 「新年のご挨拶/昨年のマーケットと振り返り/今年の未来予想図」
【目次】
1.今週の一言/ご挨拶
2. モノリスの活動日記/メンバーより
3.さくっと昨年のマーケット
4.昨年の振り返りと今年の未来予想図
1. 今週の一言/ご挨拶
こんにちは。門垣です。
本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年のメルマガに書きましたが、経営は体調管理から、
ということを学んだことを活かし、
今年は、早起き、運動、
健康的な食事からのスタートとなりました。
1月は会食も多いため、継続していきたいです。
さて、今回は読書にも時間を費やしましたが、
基本的には、いつも経営者の自伝や専門書が多いのですが、発想力を膨らますために、SF小説にもチャレンジ。
フランス人作家マルク・デュカンの作品、
「透明性」を手にとったのですが、
2060年代に地球温暖化は終焉を迎え、富裕層や人類は最終的に北欧地域に移住し、世界のあらゆるデータを駆使して、個人のデータを人工的な体に移植し、不老不死を可能とするプロジェクトを描いたものでした。
フィクションなのに、リアルに想像できる作品でした。
結局、データ社会とAIの進化は国家さえも止めることができず、
民間企業が国以上の力を持ち、国家の独裁は終わるものの、専制的デモクラシーが生まれ、人々は知らない間に、IT権力をもった人たちが書いたプログラムの中で生きていくのだろうと。
デジタル革命で、合理的な世の中になったとはいえ、
人間はより考えない、限られた思考の中で生きていく無知な生物に
なるのではないかと感じました。
AIと共存しても、依存はしてはいけないなぁ~、
とより強く痛感した年末年始でした。

(年始の日の出)
2. モノリスの活動日記/メンバーより
新年明けましておめでとうございます。
昨年は多くのお客様に運用助言のご契約いただくとともに、様々なコンサルティング契約をいただくことができ、運用助言業とコンサル業が両輪で本格稼働を始めた年となりました。
本年は人財、システムに積極的に投資を行い、
皆様により満足いただけるサービスにしていきます。
また、2024年は鬼宿(きしゅく)の年で、想定外の力が働き、現実離れした思考が大きく世の中を動かす年になると言われております。
モノリスも良い方向に世の中を動かす会社になれるように邁進して参ります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
奥村/近藤
3. さくっと昨年のマーケットをおさらい
一昨年(2022年)の金融市場は株式や
債券ともに悲惨な年となりましたが、
昨年2023年は、ドル指数を除く、主要指標が上昇し、
復興の兆しがみえたパフォーマンスの良い年となりました。

(Bloombergデータよりモノリス集計)
世界経済を牽引する米国が政策金利を年間を通して0.9%程度引き上げたと同時に国民のお財布事情を悩ます消費者物価指数(YOY)は6.5%から3.1%と-3.4%へと引き下がりました。
米国大統領選の前年の株式市場は上昇するというアノマリーが、投資家の背中を後押し、市場はリスクオンの相場へ。
債券市場においても、上半期は政策金利上昇に伴い、債券価格は大幅に下落したことや、米国債の格付けがAAAからAA+へ引き下げられるなどネガティブなニュースが飛び交っていましたが、後半戦にかけて利上げの停止、及び引き下げへの観測が高まり、最後には債券価格は上昇し、市場全体で+5.72%のパフォーマンスとなりました。
一方で、世界最大級の老舗金融機関クレディスイスが破綻し、同社が発行する債券2兆円が無価値になったことや、中国不動産大手の中国恒大集団がNYで連邦破産法15条の適用申請、JPモルガンがコロナで経営難に陥ったファーストリパブリック銀行を買収するなど、金融機関の破綻や統合が多い、波乱の年でもありました。
日本では、世界の金融政策と相反する形で、植田日銀総裁は出口戦略を明確にせず、イールドカーブコントロールを軸として、大規模緩和を維持することを決定しましたが、市場ではマイナス金利観測の解除も見えたとして、長期金利が約10年ぶりに0.7%を超えました。
また、緩和の継続や、円安が輸出関連企業を後押しし、日本株上昇へのポジティブな材料ともなりました。
今年も、
・米大統領選挙
・台湾、韓国、ロシア、フィンランド、インドネシアその他総選挙
・パリオリンピック
・G7サミット
等様々なイベントがあります。
金融市場にとって、突発的なアンラッキーもあれば、
突発的なラッキーもあるでしょう。
4.昨年の振り返りと今年の未來予想図
さて、今回も2023年と同様に、
今年の未来について考察してみたいと思います。
まず、2023年1月4日のメルマガの振り返り。
「第62号 週刊モノリス 新年のご挨拶 2022年の各金融市場のトピック30秒ずつでおさらい 2023年未来予想図」
昨年は世の中が12年周期でまわることを前提に、
物事を考察しました。
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240年前の1783年は、
・イギリスがアメリカ合衆国の独立を承認、独立戦争終結、パリ講和条約
・アイスランドのラキ火山や日本の浅間山が大噴火
120年前の1903年は
・ライト兄弟が世界初有人飛行に成功
・ヘンリーフォードがフォード設立
・日本の運転免許制度の発祥といわれる「乗合自動車営業取締役規則」が公布
という事実があります。
アメリカ独立戦争と、ロシア・ウクライナ戦争を照らし合わせてみれば、植民地、独立、対抗、といったキーワードが出現し、新たに立ち上がる多くの民が躍進する、大きな一歩を掴みとるチャンスの年のようにおもえます。
また、ラキ火山の噴火では、とてつもない二酸化硫黄が空気中に放出され、被害をもたらしました。
その結果、異常気象が生じ、後のフランス革命の要因の一つになったとされています。昨年は、自然災害も多くありましたが、それ以上に戦争のような人為災害が注目されました。今年はどうなるのでしょうか。
最後に、120年前は、有人飛行、世界のフォード、免許制度など、新たな動きがありました。現在は、電気自動車や自動運転などの新たな時代に突入していますが、
今後はよりテクノロジーや法整備が進化していき、空飛ぶ車、ロボット運転等、ドローン等、スターウォーズのような世界になっていく、
大きな一歩を歩む年になると思います。
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実際に起こった大きなイベントを振り返ってみると
2023年は、世界の人口が初めて80億人を超え、エネルギーに満ち溢れる年でしたが、ロシア・ウクライナの戦争やイスラエルパレスチナの対立、トルコ・シリアでのM7.8、モロッコM6.8、アフガニスタンM6.3地震やハワイ大規模火事による自然災害により死者も増加し、緊張感が続いた年でもありました。国内においても、ジャニーズやビックモーター、政治資金問題等、各業界において大きなうみが出る年に。一方で、テクノロジーの進化が進み、生成AIの国際ルールの制定や企業においての活用が行われ、まさにAI時代の幕開けとなりました。
さて、今年2024年は、
30年周期で世の中が動くという考えを参考に、
大きなイベントを抜粋して、
考察してみたいと思います。
【要約】
今年も、世界規模で戦争、テロ、自然災害による不安定な時代が続く年だと思っています。日本においては、120年前、日露戦争が勃発し、90年前はワシントン条約を破棄するなど、軍事力を高め世界に存在感を出していました。現在は、物理的な戦争にはもう関与しない方針ではありながら、形を変えて、テクノロジーやAIを駆使した戦争に参画しています。それに伴い防衛費という名の項目でGDP対比1%から2%へと引き上げることを表明し、総額で43兆円を計上するとしています。人や政府は、争いが良くないことを認識していても、複雑に絡み合う欲求のせいか、歴史から学ぶことはできず、同じ過ちを繰り返してしまう性質があるのでしょう。
自然災害に関しては、60年前の1964年には、大正2年の関東大震災に匹敵するM7.5の大きな新潟大地震が起こり、石油コンビナート災害を引き起こしました。また30年前の1994年にはサリン事件、さらに85年の日航ジャンボ機事件に次ぐ2番目に大きい名古屋での中華航空着陸失敗、炎上事件が起こり、多くの犠牲者が出ました。今年年初にも大きな地震、火災、航空機事件がありましたが、富士山の噴火を含め、油断ができない状況になっています。
さらに、生活面での所得格差が広がり、物質から精神世界へより加速していくことから、人的災害も増えると思います。
政治面に関しては、世界ではアメリカ、ロシア、台湾、韓国、メキシコ、インド、インドネシア、ヨーロッパ議会など総選挙イヤーによりリーダーが大きく変わる可能性があります。日本でも昨今の汚職問題にとどめを刺すきっかけが出現し、25年の総選挙前に、岸田政権から新しい内閣へと変わるかもしれないと予測します。90年前の1934年には、帝人事件により斎藤内閣の総辞職、30年前の94年には、政治資金問題により細川内閣の総辞職、またその後就任した羽田内閣も短命に終わっています。
政治と金の問題は、一生なくなることはないと考えます。同じ周期で繰り返し起こっています。ビジネス界で活躍しているお金がある人達が、政治家になれば、少しマシになると思いますが。また、消費税増税もあり得るかもしれません。94年には3%から5%へと引き上がりました。防衛費の引き上げや少子化対策のツケが回り、増税の意思決定も予想しています。
最後に、ビジネスの世界です。
120年前の日露戦争後の工業化以降、人類は技術革新を積み重ね、新たな製品やサービスを生み出してきました。たった100年で、想像できないくらいの進歩がありました。
昨年2023年からはAIが普及し、ようやく企業でも本格的に活用されるようになりました。正直、AIの成功事例はまだ少ないですが、莫大な資金を持ったグローバル企業による投資が、その他の企業にも派生し、これからその成果が可視化されていきます。人々のモノ消費からコト消費、つまり体験への消費を狙って、企業は新たなサービスを打ち出します。
個人的な感覚では、過去にずーと言われ続けてきたARやVRもより生活レベルで普及していくと思います。
また、移動手段でも大きな動きがありそうです。60年前には、渡航の自由化が発表され、日本人は簡単に海外へ行くことが可能になりました。同年に、国内でも東海道新幹線が開通し、人の移動が盛んになっています。
法的整備、乗り物の開発革新、移動の情報がより鮮明になってきます。
少し当てずっぽうな箇所もありますが、
人が同じ過ちを繰り返す性質を持っていることから、
30年という世代が変わるタイミングで、
必然的に歴史も形を変えて、
同じ運命をたどっていくのだと思います。
(金融や経済に関しては、助言契約をいただいているお客様に、運用チームからご案内させて頂きます。このメルマガは、門垣の単なる意見です)
本年も宜しくお願い申し上げます。