メルマガ: 101th 「来年はドル円155円か GoogleのCEO、年収340億円。日本の経営者として、どう感じますか?」
【目次】
1.今週の一言/イーロンマスク
2. モノリスの活動日記/採用
3.記事にコメント/バークレイズスイス、AIファンド、ドル円155円
4.経営コラム/GoogleCEOの報酬と日本企業
1. 今週の一言/イーロンマスク
こんにちは。門垣です。
最近は、イーロンマスクの生涯が描かれた
「イーロンマスク」の本を読書中。
故スティーブジョブズ、
イーロンマスクに共通していることは、
誰が何を言おうとやり遂げる。
人に否定されようが、追い出されようが、
嫌われようが、仕事にこだわり、やり抜く。
働く仲間や従業員にも、それを求めること。
毎回無茶な期日を押し付ける癖も一緒。
ここまで徹底しているからこそ
人類の誰も成し遂げたことがない境地に達しています。
特にマスク氏の、
「壮大なミッションありきでビジネスをスタート」
させる
には感銘を受けました。
彼は、人類に大きな影響を与えたいと考え、インターネット、持続可能エネルギー、宇宙旅行の3つの分野でビジネスに取り組んでいます。
宇宙、地球、世界、顧客の何の課題を解決したいのか。
何のためにビジネスをするのか。
色々と思考を巡らせる一週間でした。
2. モノリスの活動日記/採用
現在、正社員の採用活動を進めています。
決まり次第、WEBサイトにも新しいメンバーを掲載していきます。
3.記事にコメント/バークレイズスイスPB AI運用は勝てない 為替155円
バークレイズスイスプライベートバンク部門 38人の採用、30億スイスフラン運用額を目指す(英語)
https://citywire.com/ch/news/barclays-switzerland-targets-chf-30bn-after-38-hires/a2427925
過去12ヶ月で営業や幹部を38人雇い、運用額を200億スイスフラン(3,3兆円)から300億スイスフラン(約5兆円)を目指す、との報道。クレディスイスからのバンカーも雇用し、アフリカやスイス以外の国のクライアントの強化をするようだ。
弊社もバークレイズのジュネーブ、
まさにこの記事の部門とやりとりをしているが、
他のプライベートバンクと比較しても、サービスの幅が広く、より柔軟であると感じる。
ちなみにバークレイズスイスの運用は、最低10 million (約15億円)からだ。一方で、クレディスイスを買収したUBSのアジアのプライベートバンキング部門は20人ほど解雇している。
ヘッジファンドは気づいた、AIで市場を打ち負かすのは本当に難しい(日本語)
https://news.yahoo.co.jp/articles/eceb6082e0410fdb3d1a54be1775e5bf1781183a
AIを利用した12のヘッジファンドから構成される指数は、一般的なヘッジファンドの指数と比較して、パフォーマンスが14%も劣っているという報道。しかしながら、AIが機械学習を積み重ねていけば、伝統的なファンドマネージャーに勝てる、とも言及されている。
この議論は以前からあるが、テクノロジーとデータの進化により、AIによる運用パフォーマンスが向上することは間違いない。しかし、なぜ圧倒的に勝てないのであろうか。
それは、金融市場に人間の心理があるからだ。過去のデータやあらゆる観点から分析したとしても、まだ金融市場は人間が動かしており、その心理によって、市場が揺れ動く。この人間の不安定な心理、意思決定がAIの予想や理論を覆すのだ。人がいる限りは、AIに完璧はないだろう。
1ドル155円まで円安進行も、24年1-3月-予測精度トップみずほ(日本語)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-10/S2C39ODWLU680
1ドル円相場の予測精度トップに君臨した米みずほの外国為替責任者によると、年内は148円~152円の範囲、2024年1月~3月に1ドル155円に到達するとの予測。
一方で、世界のアナリスト46人の予想中央値は来年1月時点で140円。その差15円。
向こう4ヶ月は各金融機関、運用担当者の力が発揮される場面だ。
下のチャートは、青日本時間、緑ロンドン時間、オレンジNY時間のドル円の推移だ。
見ての通り、為替は欧州からアメリカ時間にかけて大きく動く。夜が勝負だ。

(出所:Bloomberg)
4.経営コラム/グーグルのCEO、年収340億円。日本の経営者として、どう感じますか?
昔から、海外と日本のCEO報酬の差は話題となっています。驚くことに、下記の記事によると、GoogleのCEOが年間340億円もの報酬を手にしています。対照的に、日本の経営者報酬は、海外の大手と比較すると、かなり控えめと言えるでしょう。
グーグルのCEO報酬、340億円はもらいすぎか。
「過去の業績へのご褒美」と考える日本企業が見落としていること
しかし、この数字だけを見て「高すぎる」「低すぎる」と判断するのは、
ちょっと短絡的かもしれません。
日経平均225銘柄のCEO報酬を分析したところ、トップ20の報酬中央値は6.7億円。この中での株式報酬の中央値は、約1.58億円となり、株式報酬比率の中央値は25%でした。
そして、記事にあるようにアメリカのCEO報酬の中央値は21億円。つまり、日本の経営者報酬はアメリカの約1/3。この情報だけ見ても、文化や経済の背景が影響していることがわかります。
ただ、Google(アルファベット社)の22年の売上総利益が23.49兆円で、CEOピチャイ氏の報酬が約340億円(ドル円150円換算)であるため、売上総利益に対する割合でみると、0.14%です。
しかも、報酬の96.5%約320億円が株式報酬で、現金報酬は3億円の0.9%です。つまり、株価が下がれば報酬も下がるし、上がればより貰える構造になっています。経営者の対価と会社の価値は一心同体なのです。

(報告書データからモノリス集計)
一方で、上記日本企業のリストの中で一番報酬が高い武田薬品の売上総利益は、2.8兆円です。
それに対し、CEO報酬が17.23億円であるため、売上総利益に対する割合は0.06%です。また現金での報酬は33%を占め、株式の報酬は67%でした。
2番目のLINE ヤフーも分析してみました。
売上総利益 1.161兆円
CEO報酬 16.25億円、割合でいうと0.14%。
また、現金比率は25%で株式(オプション報酬)が75%でした。
つまり、対売上総利益の割合で見ると、
GoogleとLINE YahooのCEO報酬比率は0.14%と
同じであることが判明しました。
一方、未上場企業のデータは取得することができませんでしたが、未上場の会社の場合、経営者はオーナーであることが多いです。オーナーや社長自らの価値観や哲学に基づき、報酬を柔軟に設定しています。
例えば、売上100億円がある会社で、
報酬を5億円以上とる経営者もいれば、
同じ売上高なのに、
報酬を数千万円以下に抑える経営者もいます。
そのような経営者たちは、税金対策や資産の最適化のために資産管理会社を持ち、あらゆる対策や運用を行っています。
しかしながら、未上場企業の場合、お客様と話していてもしっかりとした報酬制度をつくっている会社は少ないです。あるいは制度は必要ないかもしれません。
経営者の皆様、
自身の報酬はどのように設定していますか?
ビジネスの規模や業績、そして自らの役割や哲学に照らし合わせて、適切な報酬を受け取ることが、企業の持続的な成長への第一歩かもしれません。
今週もよろしくお願い申し上げます。