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メルマガ: 133th 「黄金の国ジパング日本 /円キャリー取引/最大のパフォーマンスを発揮している通貨は」

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【目次】

1.今週の一言/日本復活

2. モノリスの活動日記/先週のレポートと今週の配信予定

3. 金融マーケット/ 円キャリー取引、最大のパフォーマンス発揮する通貨は


1. 今週の一言/日本復活

こんにちは。門垣です。

日本への注目が再び集まってきました。

米金融IT・メディア企業のBloomberg のメディア部門は、1996年に日本のBloombergTVチャンネルがはじめ

世界の金融関係会社にTVを発信していましたが、

2009年に放送を終了していました。

しかしながらこの度、【Bloomberg The Asia Trade】をローンチすることになったようで、

日本の新しいスタジオから2人のキャスターがライブ配信をすることになります

https://talkingbiznews.com/media-news/bloomberg-tv-launches-bloomberg-the-asia-trade/amp

金融市場は、オーストラリア→日本→香港/シンガポール→中東→ヨーロッパ→アメリカ東海岸→アメリカ西海岸の順に回っています。

今まで世界で3番目に大きい市場である日本からの情報発信がないことは不思議なくらいでした。

日本が注目を浴びている証拠ですね。

2.モノリスの活動日記

先週配信した日レポート

・93号 投資家からの期待を集める宇宙関連銘柄。アストロスケールがIPOへ

・94号 今月のビットコイン相場

今週は以下のレポートは配信予定

・税務メリットを活用したTOBによる非公開化スキーム:アルプス物流の事例

・AIデータセンター急増で電力需要が爆発的増加、電力不足への懸念が高まる

3. 金融マーケット/ 円キャリー取引、最大のパフォーマンス発揮する通貨は

キャリー取引に「夢中」のトレーダー、円安めぐり日本当局との対決を迫る

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-05-28/SE6660T1UM0W00

今回は、急速に注目を集めているキャリートレードと、それに関連する世界の投資動向について。

キャリートレードは、低金利通貨を借りて高金利通貨に投資することで利ざやを狙う手法。

今に始まったことではないが、特に最近は低金利の円を借りて他の高金利通貨に投資する手法がプロ投資家の中で流行している。

例えば、円を借りて米ドル、ユーロ、ポンド建ての資産に投資するというもの。

昨今は、米国の利下げ後退が進み、為替のボラティリティ(変動率)が低くなっているため、市場では投資テーマが少なくなっている。その結果、テーマとしてキャリーが再び注目を浴びている。

USJPYボラティリティ1カ月の推移

(出所:Bloomberg)

この手法は、世界のファンドやファミリーオフィスでも広く行われている。基軸通貨が異なるため、他のキャリー取引を行っている運用会社も存在する。例えば、日本と同じくらい金利の低いスイスフランを借りて高金利通貨建ての資産に投資する手法。

一方で、先日シンガポール拠点のグローバル株式に投資するヘッジファンドとも会話をしたが、彼らは円を借りて日本株に投資している。

彼らの基準通貨はUSDであるため、実質的にヘッジしていることになる。これはどういうことかというと、彼らが円を借りて日本株に投資すると、円が安くなるリスクがある。しかし、基準通貨がUSDであるため、円が安くなってもUSDの価値が相対的に上がり、リスクを抑えることができるという仕組みだ。

日本の機関投資家は、為替のヘッジコストが高く、ほとんどがヘッジなしで海外資産を保有している。

現状、外貨資産に為替ヘッジをつけて投資をする場合、現在の水準では5.3%のコストがかかる。

したがって、これを上回る運用をしなければ、ヘッジの意味がなくなる。

もちろんルール上ヘッジしないといけない保険会社等の機関投資家もいるが、基本的にヘッジしづらい状況にある。

USDJPY 3monthのヘッジコスト推移

(出所:Bloomberg)

日本の個人投資家の場合、運用のためのローンを借りることがほとんどできないため、このような手法を活用するのは難しい。

一方、海外のプライベートバンクでは、銀行にもよるが、代表的な通貨はほとんど借り入れることができるため、プロ投資家と同様の運用が可能になる。

実際に、弊社のお客様のほとんどは円キャリー取引で運用を行っている。

そこで本日は、今年に入ってから基準通貨を円にして、円を借りてUSD(黄)、GBP(緑)、EUR(青)に投資するトータルリターンのパフォーマンスを計算してみた。

トータルリターンは金利差や為替の変動が含まれる。

結果は、3位がUSD 130.0%、2位がEUR130.2%、そして1位がGBP 137.7%となった。

(出所:Bloomberg)

GBPJPYは200円をつけ、今年に入ってから最高値になっている。

キャリートレードは、適切な通貨選択とタイミングが重要であり、特にプロ投資家やファンドによる戦略的な運用が求められる。

今週もよろしくお願いします。

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