メルマガ: 111th 「サンタとトナカイ、そして東芝の終幕:誕生と消滅の交差点」
【目次】
1.今週の一言/本年もありがとうございました
2. モノリスの活動日記/サンタとトナカイ
3.さくっと先週のマーケット/サンタクロースラリー
4.記事にコメント/マスク氏が大学を新設、富裕層が認知症になり裁判
5.金融コラム/さよなら東芝、誕生と消滅
1. 今週の一言/本年もありがとうございました。
こんにちは。門垣です。
はやいもので、今年最後のメルマガとなりました。
お客様、お世話になっている関係者の皆様、応援してくれている方々、
皆様に支えられ、無事に2年目を終えることができました。
メンバー一同心より感謝しています。
本当にありがとうございます。
個人的には、「経営は体調管理から」を
学んだ年でした。
年初に人生で初めて救急車に運ばれ、入院を経験。
(※重大な病気では一切ありません…..)
今までは健康そのものの人生を過ごしてきたので、
自分でもびっくりしたのですが、「体が資本」ということを実感したと同時に、
水や食のありがたさ、メンバーのありがたさを改めて痛感しました。
同時に、病床で、仕事においては、
属人的な組織からの脱却、自走する組織の構築が命題だと
感じました。
会社としては、決算は2月なのですが、
お陰様で売上も急成長し、主軸である運用助言ビジネスも大きく拡大しています。
どこかのタイミングで助言額も公表していきたいと思っていますが、我々のような手数料をとるのではなく、
助言料を頂く独立系の金融サービス会社はまだ少ないので、運用助言額という意味では、
おそらく独立系で日本で1、2番かと思いますが、これから新規参入者が増え、競争も激化していくので、スピードアップしながら、しっかりと経営を行っていきたいと思います。
今年は、積極的に人財と
テクノロジーへの投資も行い、
正社員にも参画いただけるようになりました。
また、経営合宿を経て、モノリスのありたい姿を体現した、会社のクレド(信念)を19個つくりました。
来年も採用を拡大していきたいと思います。
会社として、起業当初から世界の金融や経済情報を日本のお客様にお届けしたいという想いがありました。
当たり前ですが、2次情報だけではなく、
自ら海外に足を運んで1次情報を獲得し、
お客様にお届けすることも開始しました。
来年も金融先進国に行って、
鮮度ある、価値ある情報を運んで、サービスの改善、
向上に繋げていきたいと思います。
まだまだ赤ちゃんのような会社で、
課題ばかりですが、
地に足を付けながらも、大きな目標を描いて、
頭と体に汗をかいて、
「お金にまつわる情報格差をなくし、最良の意思決定をサポートするパートナーであり続ける」をテーマに、
金融という手段を活かしながら、
皆様の目標や夢を実現できるようなサービスを
構築していきたいと思います。
今年一年、本当にありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願い申し上げます。
2. モノリスの活動日記/サンタとトナカイ
昨年末、12月の経営会議で決めたことがありました。
人としての原点に立ち返り、
社会と自分達を見つめなおすために、
1年に1回、自分達で選んだ団体に直接寄付をさせて頂くことです。
そして、先日愛知県にある児童福祉施設に行かせていただきました。
様々な事情で、親元を離れ、施設で過ごしている子供たち。
なかなか訪れることがない場所、多目的ホール前で待機しているとき、
メンバー全員は緊張しました。
しかしながら、70人以上の子供達や職員の皆様に、あたたかく拍手で迎えられ、
子供達1人1人に、クリスマスプレゼントをお渡しさせていただきました。
子供達の夢は、サッカー選手やYoutuberなど。
複雑な事情がある人達が多い中、
素直で明るく、
夢を大きな声で堂々と宣言する子供たちに、
心打たれました。
今回の体験を経て、メンバーで話しながら、
一つ気づきがあり、決めたことがあります。
我々のミッションである
「お金にまつわる情報格差をなくし、最良の意思決定をサポートするパートナーであり続ける」は富裕層だけが対象ではないこと。
金銭的な支援もそうですが、ご縁があった施設の方々に、
寄付の一環として「お金の教育」の授業をさせていただきたいと。
施設を卒業し、社会人として独立した方々でも
、お金がきっかけで、
新たな問題に直面している人も多くいるそうです。
来年から取り組んでいきたいと思います。

左から奥原トナカイ、近藤トナカイ 後ろに石井サンタ

サンタそっくりの出雲サンタ

(中日新聞社より抜粋)
3. さくっと先週のマーケット
先週は、21日に発表された米国個人消費指数が予想の3.3%に対し、実績は3.2%と下回り、鈍化。また、新築住宅販売件数は、前月比-12.2%の59万戸。この発表を受けて、来年の米金利下げの予想が一段と強くなり、米国と日本の株式市場が上昇。債券金利において、10年は上昇したが、2年金利は下落(価格上昇)となった。クリスマス休暇前の活動が少ない週であったが、例年通り、年末年始に株式が上昇するといわれるサンタクロースラリー相場となった。日本では19日に日銀の金融政策会合の記者会見で、「もう少しデータや様々な情報をみたい」と大規模緩和の維持を決めた。

(Bloombergよりモノリス集計)
4.記事にコメント/ マスク氏が大学を新設、富裕層が認知症になり裁判
マスク氏が大学新設を計画、STEMに特化し最高レベルの教育を目指す
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-13/S5MJUXT0G1KW00
イーロマンマスク氏が、145億円を投じて米テキサスにSTEM(科学、技術、工学、数学)に特化した小中学校からスタートし、将来的には大学を設立する、との報道。
富裕層の行き着くところは、やはり教育なのか。「シミュレーション、製作、ラボを含む実践的な学習体験」を得られる学校は本当に魅力的。
この時代、座学だけであれば、学校に通わずとも、インターネットを活用すれば、
ほとんど無料で学べる。だからこそ、ケーススタディや実践を重視しているのであろう。
富裕層の顧客が認知症、投資失敗の責任は誰の責任か-米国で法定闘争
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-12/S5J1P8T1UM0W00
ピーター・ドエルガー氏は米国で会社を売却し、その収益を株と石油に投資してピーク時は73億ドルに達したが、78歳あたりから認知症の兆候を示し始め、JPモルガン・チェースに財産を託していたが、その後家族の資産はほぼゼロに減少し、最終的には150万ドルしか残らなかった、との報道。
ボストンの連邦裁判所では、認知症の顧客が投資に失敗した際の金融機関の責任が争点となっている。ドエルガー夫妻はJPモルガンから数千万ドルを取り戻すために訴訟。認知症の症状がみられなかったこと、またJPモルガンはリスク分散をした方が良いと進めたにもかかわらず、顧客がそれを受け入れなかったことから、判決はどちらになるかわからない。
しかしながら、日本でも資産1億円以上を保有している世帯が148世帯あり、その内の多くが高齢になっていることから、同様の問題が生じてくるだろう。老化が進む前に早い段階で資産を家族に引き継ぐか、あるいは使うか、または自分で運用し続けるか、非常に重要な選択になってくる。そして、認知症や老化に関らず、資産運用は誰の責任か、そもそも銀行は100%顧客の資産を守る組織なのかも考えるべきポイントだ。
アメリカの歌手のリアーナは、お金を使いすぎて破産になり、ファイナンシャルアドバイザーを訴えたことがあるみたいだ。当時のファイナンシャルアドバイザーは「買い物ばかりしているとモノは増えるが、金は尽きてしまう。そんな当たり前のことまで、彼女に懇切丁寧に教えておかなければならなかったのだろうか」と回答している。
5.金融コラム/さよなら東芝
先週19日、8年前に不正会計が発覚してから、経営の立て直しをしてきた東芝が、
東京証券取引所での最終取引を終えて、20日に上場廃止となりました。
1949年以来、74年にわたる上場の歴史を刻み、
日本産業パートナーズによる買収、支援をもとに、
非上場企業として、新しい経営陣チームと次なる挑戦をしていきます。
一般的に、株式市場に上場した企業の4割は、
時間の経過とともに衰退していくと言われています。
同様に、フォーブス誌が選出する米国の大富豪400人のリストも、死や家族への相続以外の原因で、10年毎に約2割も入れ替わるみたいです。
会社が非上場になることや、資産が減ることは、
必ずしも悪いこと、と断言できませんが、
この資本主義社会において、
生き延びること、維持することは、
簡単なことではありません。
勝つよりも、負けないこと、
あるいは、勝ち続けることが重視される
世の中なのかもしれません。
さて、本日は、日本において
過去10年間で上場を廃止した企業の数を調べてみました。
合計会社数は686社です。2011年がピークの100社です。
ちなみに過去10年間でIPO(新規株式公開)をした会社の数は1,098社なので、
毎年40社が上場企業として増加していることになります。

(Bloombergデータよりモノリス集計)
そして、上場廃止の理由として
一番多かったのは、M&Aの72%です。(合弁&買収)

(Bloombergデータよりモノリス集計)
最後に業種別の平均上場期間です。
全体平均では、25年でした。最も上場期間が長い業種は45年のエネルギー、次いで39年のエネルギーです。
既得権益があり、比較的付加価値が小さい業界においては、
現状維持をすると、売上や利益が低迷し、
非上場化やM&Aをせざる得ない状況に陥ってしまうのではないでしょうか。

一方で、テクノロジーと通信業界は
比較的少ないですが、
次の10年を考えると、エネルギー業界と同様に現状維持状態になってしまえば、
これらの業種の上場廃止も
増えていくことが予想できます。
また、創業オーナー会社の高齢化が進むにつれて、
相続の観点から、
非上場化を行う企業が増えるかもしれません。
いずれにせよ、
物事は表裏一体、バランスがあり、
新しいものが創出される裏側には必ず消滅もあります。
東芝の消滅により、また新たな、
日本を代表する世界的なメーカーが誕生することに
期待したいと思います。
本年も本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。