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メルマガ: 107th 「日本企業の業績は伸びているのか 上方修正した会社/デジタル社債 Z世代は投資に積極的」

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【目次】

1.今週の一言/人生初

2. モノリスの活動日記/アプリ

3.記事にコメント/オーストラリアの富裕層、デジタル社債の登場、Z世代は投資に積極的

4.金融コラム/日本企業の業績は上がっているのか 自社利益予想値を修正した日本企業


1. 今週の一言/人生初

こんにちは。門垣です。

人生で初めて、鰻の刺身を食べました。 

うなぎの血液には、
毒成分が含まれているみたいです。

したがって、
熟練した職人がいなければ提供できない、

日本でもメニューにあるお店は
数えられるほどみたいです。

気になるお味は、脂がのっていて、
歯ごたえもありながら、

薬味とポン酢で食べると、サッパリと、
ペロッといけてしまう

そんな感じでした。

さて、話は少し変わりますが、

世の中で活躍している人種、
富裕層が多いユダヤ人の格言に、

「働くために食うな。食うためために働け。」

という言葉があるみたいです。

人生の目的は、
おいしいものを心ゆくまで食べること。

そんな考え方。

最近、お客様や富裕層の方とお話ししていても、

夢は何ですかと聞くと、

「旅行をしたい」などの言葉が返ってきます。

もし、今日から資本主義が終わり、
お金という概念がなくなり、

共産主義ではありませんが、
あらゆるものが社会的所有になり、

好きなことをなんでもできる

という時代になれば、

みなさんは毎日何をしますか?

人生の目的について考えさせられた一週間でした。

2. モノリスの活動日記/アプリ

今週から、運用助言のお客様を対象に、

いままでのコミュニケーションツールであった

Chatworkから弊社のアプリへ切り替えを行っていきます。

弊社から招待メールを送らせて頂きます。

メール内にあるリンクを介して、

Apple StoreやGoogle Play Store から
ダウンロード頂けます。

3.記事にコメント/オーストラリアの富裕層、デジタル社債の登場、Z世代は投資に積極的

モルガンスタンレーがオーストラリア富裕層を目的にアドバイザー人員を強化(英語)

https://www.afr.com/companies/financial-services/morgan-stanley-eyes-advisers-as-global-shops-line-up-australia-s-rich-20231122-p5em03

オーストラリアには約60万人の富裕層(資産約5億円以上)、総投資可能金額で2.8兆ドルあるが、そのうちの54%はアドバイザーをつけていない、との報道。米モルガンスタンレーは、この点に注目し、90人弱のアドバイザーチームにさらなるメンバーを追加し、採用を強化していくとのことだ。またモルガンスタンレーは、営業担当ではなく、チーム制にして、顧客が多様なスキルと経験をもったメンバーの良さを受けれるようなサービス体制にしていく。

前回シンガポール出張した際に、とあるプライベートバンクと話していたが、

オーストラリア人は、オーストラリアにある自分の不動産を担保に、オーストラリアの外でローンを獲得するスキームを実行していた。プライベートバンクからするとかなりのリスクとなるが、そこまでしても、オーストラリアの富裕層を獲得したいのであろう。

国内最大のデジタル社債登場へ、メガ銀プラットフォーム初(日本語)

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-21/S3FDWET1UM0W01

三井住友FGなどが出資し、デジタル証券の発行・管理プラットフォームを担う

プログマが、数十億規模の初のデジタル社債を発行する準備をしている、との報道。記事にもあるが、デジタル社債は、ブロックチェーン技術を活用し、電子的に発行される債券で、通常の社債に比べて発行や流通、管理などのコストが下がる。

また、信用格付けを取得していない企業の新たな資金調達手段となり得る。

なぜコストが安くなるのか説明する。

従来の証券会社を介した社債の発行の流れは、DCM(デットキャピタルマーケット)と呼ばれる部署の営業担当が、企業に営業し、社債発行等の話し合いをする。この情報をもとに、機関投資家を担当している別の部署の営業担当が、該当の企業の社債のニーズがあるか等を事前にヒアリングをする。そしてこの2つの部署の間に位置するシンジケーション室や部署と呼ばれる場所で、どれくらいの金利で発行すればいいか、価格はどうなるか、などの値付けが行われている。

このような流れの後に、債券が発行され、機関投資家やリテール担当者を通じて個人投資家へ販売される。販売後も、さらに投資家が途中売却などを行い、債券トレーダーや営業は、次なる投資家をみつけ、市場に合った適切な価格をつけ、手数料をのせて再度販売する。また、DCMの営業担当者は、社債発行が行われた後に、需要があったかどうか等のフィードバックを企業に行う。

つまり、デジタル証券の発行により、上記の証券会社の人件費や工数がなくなる

ということだ。その結果、証券会社にかかるコストも減る為、デジタル証券を発行する企業は多少金利を上乗せしても、コストが安くなる。

これからはデジタルの時代が加速するだろう。

Z世代は投資に夢中。50%以上がすでに投資経験あり、「自分が望むタイミングでリタイアしたいから」(日本語)

https://www.businessinsider.jp/post-278439?utm_source=Business%20Insider%20Japan%20Mailmagazine&utm_medium=email&pnespid=5fLIgZdIuvaa9KK2tBa_sqQN_xYXvX0shwp2ThFjs02VB_Wu33MHXxCBJtRRW6OOeGVwdyS2

アメリカの23年5月に行った調査によると、Z世代の回答者の半数以上がすでに投資をしていると答え、そのうちの82%が21歳になる前に投資を始めたと回答をした、との報道。Z世代は90年後半から2010年代に生まれた世代で、現在12歳から28歳世代の人を指す。

Z世代は、少子高齢化により、20年間の老後生活資金に約300万ドル(約4.5億円)必要であると言われるため、インフレや金利上昇などにも対応し、投資判断を下している。

デジタルの台頭により、投資に対する不安や懸念が緩和され、

障壁が低くなっているだろう。昔は投資をするにはある程度の資金が必要だったが、いまはお小遣いでもできるようになった。情報格差も少なくなり、ちょっと調べるだけでも、あらゆる情報が入ってくる。

さて、Z世代のデジタルを活用した投資に対して、親世代は会話についていけるのであろうか。あるいは教育をすることができるのであろうか。

若者のチャレンジを止めるようなことをしなければ、日本経済発展の兆しが見える。

4.金融コラム/ 日本企業の業績は上がっているのか 自社利益予想値を修正した日本企業 

日本企業は、企業自身の業績見通しを発表します。

目まぐるしい変化がある
昨今の経済・政治情勢の中で、

今期、777社の企業が業績の見通しを
変更しています。

そこで、今回は直近の純利益予想発表値と、
前回発表値の値を調べてみました。

発表時期は会社によってばらつきがありますが、

ほとんどの企業が10月~今月にかけて
最新の見通しを発表しています。

まずは全社の純利益の合計値の比較
(単位10億円)でいうと、

今回 28,012,667

前回 25,482,096 

なんと10.9%も純利益の予想値が上昇しています。

つまり、上方修正をしています。

次に業種別の増減率をみます。

(Bloombergデータよりモノリス集計)

エネルギー関連会社の純利益予想が平均で
47.2%上昇しています。

これは、企業特有の理由もありますが、全体的にはパレスチナを巡るイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘激化が影響しています。地政学リスクによる原油価格が上昇し、企業が上昇する前に買い込んでいるからです。

WTI原油先物価格
6月は60ドル前後を推移していましたが、9~10月にかけて、90ドルを超えました。

(出所:Bloomberg)

では、企業と実際の発表値をみます。

大幅に上方修正した会社は、

富士石油 116%

出光興産 80%

日新商事 50%

です。一方で、シナネンホールディングスは
-154%の下方修正をしていますが、

こちらは原油価格高騰により売上は上がっていますが、他の電力事業による損失が大きいことが理由です。

次に上方修正の割合が大きかった業界は
一般消費財サービスの28.1%です。

特に松尾フーズは、純利益4億円から22億円と450%も上方修正をしました。

コロナの巣ごもり需要から外出需要が回復し、

2019年比では松尾フーズ以外でも、マクドナルド42%、すき家38%、モスバーガーが35%の売上高が上昇しています。

この上方修正に伴い、
松尾フーズの株価も急騰しています。

(出所:Bloomberg)

私が頻繁に行く
「すきや家」を運営するゼンショーの株価。
200%以上の上昇です。

最後に、
最も下方修正した業種はヘルスケアでしたが、

こちらは企業特有の理由が多く、マクロ経済の要因は少ないと考えます。

マクロ経済でこれだけ業績が変動し、株価も動くのは非常に面白いですね。株式市場は生きています。

今週もよろしくお願いします。

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