メルマガ;188th 「灯台下暗し わびさび Make Japan Great Again」
【目次】
- 今週の一言/モノリスの活動日記
こんにちは。門垣です。
帰国すると必ず吉野家か丸亀製麺に寄りますが、やはり安くて美味しく、良くも悪くも日本の素晴らしさを実感します。
さて、毎回の海外出張で思うのは日本について「灯台下暗し」ということ。ということで、週末には、第78回カンヌ国際映画祭に招待された、現在上映中の『国宝』を観ました。原作は小説ですが、約2年の歳月をかけて執筆した歌舞伎についての作品は、【芸とは何か】【伝統と何か】を追求した作品で、音楽、証明、道具や美術など、ありとあらゆる細部にこだわりぬいたものでした。
個人的には、わびさび、そして独特の【間】があらためて日本の美であると、今でも余韻が残っています。

金融面では、日経平均株価は4月のトランプ関税発言以降の調整を経て戻り歩調にあり、PERは13〜17倍のレンジで推移しています。PER(株価収益率)=株価/EPS(一株あたり利益)で算出されるので、日経平均のEPS成長率(約8.5%)に伴い、じわじわと企業業績が伸びている状況です。今月20日には参院選が控えていますが、与党のヘリコプターマネー案や、各党によるネットでの選挙活動が本格化してきており話題になっています。正直なところ、個人的には、日本の政治にはうんざりしているので、民間の力でなんとか前に進めていきたいと感じています。
一方で、日本企業の業績や海外売上高比率は着実に増加しています。最近では、従来の自動車産業だけでなく、日本が誇るエンタメ産業、特にアニメなどは海外の人々も幼少期からみて育っており、親しんできた日本の文化として影響力を増しています。日本であまり流行らなかったアニメが海外に輸出され放送されているケースもあり、フランス人から【これ知ってる?】とバレーボールのアニメを教えてもらいましたが、まったくわかりませんでした。
時価総額、エンタメが自動車抜く 上位9社で見えた日本株高の原動力
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB18D8I0Y5A610C2000000
時価総額も急成長しており、日本の弱みは底上げしつつ、エンタメのような強みはさらに研ぎ澄まして、“Make Japan Great Again” を実現したいものです。

さて、帰国後すぐ、東京でモナコ在住の日本の方と打ち合わせ兼お食事をしてきました。
先週モナコに行ったばかりだったので、イメージが鮮明で不思議なご縁を感じました。


日本を含めアジア系の人は少ない印象でしたが、統計をみるとモナコの人口は約3万9,000人で、
モナコ人とフランス人が約5割を占め、その他はイタリア人、英国人などが続きます。
街を歩いていると、英国でも屈指の富裕層がランニングしている姿を目にするなど、とてもカジュアルでのんびりとした雰囲気が心地よかったです。今回は時間の都合でヨットクラブには入れませんでしたが、ラグジュアリーという意味合いでのヨットや海に限らず、モナコは海洋環境を大切にしており、国王が主宰するプリンス・アルベール2世財団は気候変動対策や海洋保護に注力しています。
特に昨年は、地中海の30%を海洋保護区として確保する国際的な取り組みを進めるなど、人と地球が共存できる仕組みづくりを続けています。
多くの富裕層が集まる理由としては、個人所得税や相続税がない点が大きいです。法人税はモナコ外からの売上が25%以上の場合、25%が適用されますが、モナコ企業からの利子や配当には源泉税がかからないため、世界中の富裕層を惹きつけています。その分、生活コストは非常に高く、不動産価格は世界一と言われ、東京の倍以上の水準です。
レストランやスーパーも値段は高めですが、治安が良く、歩いている人の3人に1人は富裕層と言われるほどの土地柄。スーパーカー好きにはたまらない街でもあります。
そういった意味では、モナコに半年滞在すれば、残りの半年は他国を回れるのも魅力です。ヨーロッパが好きなアジアの方にとっては、個人所得税が最高22%のシンガポールより、モナコ移住を選ぶのも一案でしょう。
モナコ在住の方々は、ニースとモナコの間に位置する高級別荘地・サン=ジャン=キャップ=フェラ(Saint-Jean-Cap-Ferrat)で過ごすことも多いようです。ロスチャイルドをはじめとする世界的な資産家の別荘も点在しており、車で通った際には「これがコート・ダジュールか!」と感嘆するほどの美しさでした。

(あまりいい写真がとれず)
残りの半年のうち2ヶ月は真夏の暑い時期を避けながらも日本、残りの4ヶ月はパリやその他ヨーロッパの国などを行き来するライフスタイルなど魅力的だと思いました。
今週もよろしくお願いします。