メルマガ: 165th 「不動産市場 第二次トランプ政権発足/成功理由は○○だった」
【目次】
1. 今週の一言/不動産
2.モノリスの活動日記/トレンド
3. 金融コラム/第二次トランプ政権が誕生
1. 今週の一言 / 不動産
こんにちは。門垣です。
最近は不動産に関する案件が多くなっている気がします。
インフレ期待の高まりや、バブル期ほどの価格水準には至っていないことなどを背景に、
【次はどのような物件を買おうか】
と考えている人も少なくないですね。
一方で、不動産を中心に投資を行うプロの間では、保有資産の売却を始める企業もあり、意見が二極化している印象です。
そんな中、今週の読書として、 『100兆円の不良債権をビジネスにした男 不動産ファンドビジネスの活きた教科書』(ケネディクス元代表取締役社長 川島 敦)を読み始めました。
バブル期からの経緯が、実名を交えながら赤裸々に描かれており、
リアルでスリリングな内容でとても興味深いです。
まだ読み終えていませんが、日本の不動産市場にデューデリジェンスの概念が存在しなかった時代、日本企業が保有する不動産を海外ファンドへ売却するところから始まり、新たなスキームを次々と生み出していった過程が記されています。
現在、大規模な不動産を保有する企業が売却を試みても、価格が高騰しすぎて日本の投資家が手を出しにくい状況となっており、海外投資家が主な買い手にならざるを得ないという風潮もあります。
この点を踏まえると、一部バブル期と類似した側面があるのではないかと考えさせられます。
日本が急激に金利を引き上げることはないため、直ちに問題が顕在化することはなさそうですが、これまでのように余裕をもって投資できる時代ではなくなっていると感じた一週間でした。
2. モノリスの活動日記 / トレンド
日経新聞によると、2024年の訪日観光客数は3,868万9,900人、消費額合計は8兆1,395億円と過去最高を記録しました。一人当たりの消費額を算出すると約23.7万円となります。
今週は会食の二次会で虎ノ門EditionのGold Barに行きましたが、たまたまなのか、フロアにいる日本人は私だけで、他の客は全員外国人でした。まるで海外にいるような錯覚を覚えました。(まあ、ホテルのバーなので、もともとそういう客層が多いのかもしれませんが)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1467L0U5A110C2000000
この波にのるべく、弊社も昨年から本格的にグローバル超富裕層の支援を開始しましたが、
年初から新たなご縁や面談、お問い合わせを多くいただいています。
ビジネスの観点から、多いお問い合わせのトップ3は以下の通りです。
海外のファンド・企業が日本の企業や投資家から資金調達を希望
日本企業の買収、またはPE投資の検討
日本市場でのビジネス展開や拡大
①については、日本人がダイナミックな投資をあまり行わない特性や、日本企業の資金余剰を背景に、海外の企業やファンドが日本市場で資金調達を試みるケースが増えています。
今年に入ってからも、グローバルAIファンド2社や消費財セクターファンドと面談を行いましたが、日本企業からの資金調達というより、日本の強みを活かし、
相互にシナジーを生み出す形での提案を進める傾向が見られます。
②に関しては、日本の人口構造による影響で、上場企業の非上場化や未上場企業の後継者不足などが背景にあります。特に日本特有の技術や歴史を持つ企業の買収ニーズは高まっており、M&Aの動きも活発化しています。円安の影響も後押ししているようです。
③については、明確な共通のトレンドは見えていませんが、日本が依然として世界第4位のGDPを誇る市場であり、進出を検討する企業が多いのは当然かもしれません。
特にアパレル業界では、日本をアジア市場の窓口と捉え、観光客が多い日本でテストマーケティングを行うブランドが増えているようです。
現在お仕事をしている海外超富裕層の人も、日本語を勉強している人もいるため、コミットメントは強そうですね。
3. 金融コラム / 第二次トランプ政権誕生
さて、本日から第二次トランプ政権が発足します。
MAGA(Make America Great Again)をスローガンに掲げ、選挙勝利後から全世界一律関税の導入や不法移民の強制送還など、多くの公約実現に向けた発言を行っています。
また、世界で初めて個人資産61兆円に達したイーロン・マスク氏をバディとして、国際社会を巧みに動かし、世界の数字をゲームのように取り扱い
各国のリーダーとの駆け引きを繰り広げています。
本当に負け知らずの【勝負師】だと感じます。
個人的には、トランプ氏の最大の強みの一つは【交渉術】だと思っています。
まずは先制攻撃で強気の要求を出し、
対立する相手には徹底的に言葉で攻め立てるという手法です。
このふっかけ戦略が本当に効いていますね。

(ウェブサイより抜粋)
なぜこのような交渉スタイルをしているのか、どこで身に着けたのが気になったので、調べてみました。
彼の父、故フレッド・トランプ氏は10代で起業し、クイーンズやブルックリン地区で成功を収めた建設業者でした。
父を超えるべく奮闘したトランプ氏は、最初に父から借りた100万ドルを元手にマンハッタンのコモドアホテルを改装し、プリツカー一族と契約を行い、NYグランドハイアットを建設。ここからキャリアを本格的にスタートさせました。
トランプ氏と故フレッド氏

(ウェブサイトより抜粋)
ちなみに、プリツカー一族のファミリーオフィスは
THE PRITZKER ORGANIZATIONです。
このファミリーオフィスとも仕事をしたいと思っています。

さて話を戻しますが、ニューヨーク市に貢献するという理由で40年間の税控除を要求し、最終的に投票で認められたのも彼の交渉術の賜物です。
その後、1983年にマンハッタン5番街にトランプ・タワーを建設し、一躍有名になりました。
その際にも同様に、トランプ氏は世界中からマンハッタンに人が集まってくるのだから、市としてもサポートをしてくれと強く依頼しています。当時の市長は断固拒否をしましたが、
トランプ氏は市長に対して得意の言い返しを行い、最終的に40年間の特別税控除を受けています。
当時の市長からすると、特定の企業優遇ともとられてしまうため反対の一択でしたが、その反対に対してこれでもかというくらいの罵声を浴びせたようです。
当時も今もやり方が同じですね。
現在のバディであるイーロンマスク氏も政府効率化省には配属されていますが、彼も特に欧州の首脳リーダー陣に言葉の爆弾を放っています。
世界中見渡しても、この何をしでかすかわからないビジネスマンの2人に勝てそうなリーダーはいないようですので、本当に世界をコントロールしていると言えるでしょう。
さて、私が注目したい点は、 なぜ実績がなかった時代から、税金控除などのふっかけができたのか、ということです。
昔から、アメリカでは、優秀な医者、弁護士、金融アドバイザーを友人に持つことが大切であると言われていますが、当時はこの弁護士が影で支えていたことが一番の理由だったと思います。
メルマガ読者の皆様はご存じの方も多くいると思いますが、ロイ・コーン弁護士の存在が大きかったと言われています。
ロイコーン氏は、著名人、政治家やマフィアを顧客に持ち、勝つためなら手段を選ばないコーン氏から帝王学を学び、支えられながら育ったトランプ氏は、徹底的に攻めるスタイルを貫いています。
ロイコーン氏は【和解はするな、誤ってはいけない、攻撃せよ】とトランプ氏に教育をしたと言われています。

果たして、今回の政権では、このふっかけ戦略を活用し、どのような【MAGA】が実現するのでしょうか。
弊社としても、よりアメリカの動向を注視しながら、
運用戦略を立案していきたいと思います。
今週もよろしくお願いいたします。