メルマガ: 149th 「ユニコーン企業を輩出する世界最大のコミュニティ!?/伝統と革新-グローバル企業へ」
【目次】
1.今週の一言/3連休 伝統と革新
2.モノリスの活動日記/先週のレポート
3. 金融コラム/ユニコーン企業を輩出する世界最大のコミュニティ!?
1.今週の一言/3連休 伝統と革新
こんにちは。門垣です。
2週間連続の3連休でしたね。
今回は、東京でゆっくりと、仕事、読書、
スポーツをして過ごしました。
さて、読書ですが、
少し古いですが2010年に出版された【シャネルの戦略】を読みました。
最近、色々な方とお会いするなかで、日本や日本の企業が伝統を守りながらも、革新を追い求め、どう存続していくか、というテーマに着地します。
そのような中で、グローバルで100年以上の伝統とブランドを守りながら、世界中で価値を発揮し続けるシャネルの経営を学ぼうと手に取りました。
人の人生は生きれても100年ちょっとですが、
企業は人よりも長く生き抜くことができます。
LOUIS VUITTON等を手掛ける世界最大のコングロマリット企業LVMHグループや、世界で最もラグジュアリなーブランドエルメスは一族経営をしながら上場していますが、CHANELは、稀にみる未上場企業です。
また創業者(ココ・シャネル)とオーナー(ベルテメール一族)が異なる、総合ラグジュアリーブランドで唯一無二の存在です。
本を通して、気づきや学びは色々ありましたが、
ポイントとしては、
・非上場戦略
ビジネスは対象事業を売って儲けるのではなく、成長させるために長期的視野で投資をする。つまり、株主から束縛されずに、自由な企業活動を行う。
・哲学経営
どんな時代でも、一貫性のある哲学を用いて経営する。ココシャネルの「伝統的な文化や技術を守りながら革新していく」という価値観。
例えば、世界をリードするCHANELの代名詞の香水N5は、名前と成分は変えず、パッケージだけ新しくしていく。チェーンベルトバックも、両手が自由に使えるショルダーバックというコンセプトのもと、チェーンのキルティングは変えずに、色、形、大きさ、素材だけ変えるという変革。
また、【ラグジュアリーなものは裏も表も同様に美しい】を体現することなどを守りながら、変化し続ける。
・プロフェッショナル集団
内部だけではなく、外部にも支える各分野のプロフェッショナル集団を持ちながら、究極のラグジュアリーを追求する。そして人材を重視とした仕組みを持つ。例えば1920年から福利厚生制度を導入。当時は珍しい社員への有給休暇、宿舎、列車代、医療費などを負担したり、社員専用のファッションショーを開催して、モチベーションをあげるなど。
でした。
オーナーのベルテメール兄弟(3代目) は世界トップレベルの大富豪であり、
秘話は本の中にたくさんありますが、
ラグジュアリーブランドを保有しているが、質素な生活を好み、地下鉄にのったり、外食はあまりしなかったり、ごく普通の生活を過ごしているようです。
彼らのファミリーオフィスは、
Mousse Partnersですが、
ウェブサイトからわかるように、
なにも詳細が明かされていません。
本当に表に出ない、本当のお金持ちであることが、
わかります。
https://www.moussepartners.com/about.html


2.モノリスの活動日記/先週のレポート
先週配信したレポートは2本。政治と日本株について。
119号 株価上昇余地が大きいフジクラと次世代AIサーバーで期待される今後の変化

(一部抜粋)
118号 総裁選の見通しとその後の解散総選挙を見据えた市場への影響

(一部抜粋)
弊社のお客様はぜひポータルからレポートやポッドキャストをご覧ください。

3. 金融コラム/ユニコーン企業を輩出する世界最大のコミュニティ!?
最近、ベンチャー界隈でのネットワーク作りとサービス構築を進めています。
政府もスタートアップ育成計画を掲げ、27年にはスタートアップへの投資額を10兆円規模に、
ユニコーンを100社創るという目標を掲げ、非常にホットな領域でもあります。
その過程で、先週とあるコミュニティの運営者に会いました。
世界で最もユニコーン企業を輩出している「エンデバー」です。

(ウェブサイトから抜粋)
日本では毎年約100社が上場しているものの、ユニコーンはほとんど誕生せず、
「小粒上場」と揶揄されることが多い現状。
最近、ベンチャー起業家と面談をしていても、金融市場の不安定さも影響し、上場を諦める、
あるいは延期する企業も少なくありません。
ダウンラウンド(前回調達したとの企業価値よりも、次の調達ラウンドの方が低い企業価値になること)してまで上場するのもね~みたいな会話が多いです。
あるいは、バリュエーションが高く、日本の投資家から投資ができないと、感じている企業も多いです。
さて、エンデバーですが、創業27年、35カ国にわたって活動しているグローバルコミュニティです。
600人以上のスタッフが関与し、6段階の厳しい長期間に渡る選考プロセスを経て、たったの2~3%しか選ばれません。
選ばれた起業家には、名だたる経営者が複数のメンターとして付き、日常的にメンタリングやフィードバックを提供しているようです。
さらに、エンデバーが運営するVCファンド「カタリスト」は、リンクドイン創業者リード・ホフマンが会長を務め、これまでにコミュニティの中から、325社に投資。
なんとそのうち約60社がユニコーン企業へと成長しており、投資先企業の6社に1社がユニコーン化しているという驚異的な実績です。

(ウェブサイトより抜粋)
興味深いのは、アメリカやヨーロッパといった先進国だけでなく、中南米やアフリカ、中東、東南アジアといった新興市場にも積極的に投資している点です。
エンデバーは、支援が行き届いていない途上国地域で起業家を成功に導くためのエコシステムを構築しています。

(資料より抜粋)
日本のエンデバーコミュニティの議長は孫泰造氏ですが、現在6人の起業家が選ばれています。

(ウェブより抜粋)
今後さらにどのような日本の企業が選ばれるのかが注目されています。
選ばれるプロセスや条件はかなり色々とあるみたいですが、そのうちの一つとして、グローバル展開を視野に入れているかどうかが重要な選考基準の一つであり、
日本国内だけでビジネスを展開している企業は対象外になることがあるようです。
個人的には、日本企業がもっとグローバルな視点を持ち、海外市場にも挑戦すべきだと考えていますが、GDP600兆円の島国日本だけでも、十分にビジネスをする環境があり、日本ならでは課題もあるため、押し付ける必要はないと思っています。
一方で、海外進出=アメリカを考える経営者が多いようですが、アメリカは競争が激しく、
成功するのが難しい。だからこそ、ヨーロッパから攻めて、テストを繰り返し、アメリカで勝負する企業も増えてきているようです。
わたしたちも最近、国内外の富裕層経営者やベンチャー起業家とのネットワークを強化していますが、同世代の起業家が活躍しているのをみると刺激になりますね。
これからは、エンデバーのようなコミュニティをモノリスでも作り、
ベンチャー企業や富裕層とのつながりをさらに深め、
新たな価値を提供できる場を構築したいと考えています。
今週もよろしくお願いします。