メルマガ: 119th 「ゴールドマン富裕層向けファンド組成/シンガポール当局さらに富裕層を誘致/エヌビディアよりも変動する銘柄は」
【目次】
1.今週の一言/思考を止めるな
2.さくっと先週のマーケット/日経平均34年ぶりの高値記録
3.富裕層の公然の秘密/ゴールドマン富裕層向けファンド、シンガポール富裕層を誘致
4.金融コラム/エヌビディアよりも変動が大きいと予想される銘柄は?
1. 今週の一言/思考を止めるな
こんにちは。門垣です。
最近は、人と話していても、ニュースをみていても、
映画をみていても、世の中は人工知能、テクノロジー、ロボットの話題で盛り上がっていると感じさせられます。
年末、イーロンマスク氏率いるTeslaが
人間型ロボットのOptimusの動画を
アップデートしていました。
歩行スピードも前回バージョンと比較して
30%向上し、体重も10Kg減量し、
人間の動作に近づいていることがわかります。
機能性もさることながら、デザインが素晴らしい。
スタイリッシュで、ロボットらしくない、
人間のような外観。
テスラのこだわりがみえます。

https://youtu.be/cpraXaw7dyc (1分43秒の動画)
日本では、
Uber Eatsが三菱電機とCartkenと業務提携を発表し、
3月から東京都内の一部地域でロボットデリバリーサービスを開始すると発表しています。
人間にしかできないことは何か、
を考えさせられる一週間でした
2. さくっと先週のマーケット/ 日経平均34年ぶりの高値記録
日経平均指数は年初来で16.84%上昇し、1989年12月につけた3万8915円87銭を上回り、3万9098円68銭で終了した。個人投資家は1月に利益確定のため約1兆円売り越しに転じたが、海外投資家の買い注文がけん引する形となった。
証券アナリストの個別銘柄ベースの分析をみると93銘柄(41%)が買い、125銘柄(56%)が中立、7銘柄(3%)が売りと、まだまだ日本株が上昇することを示唆している。また米国半導体大手のエヌビディアは、決算発表の翌日の終値が16.40%上昇したことも日本金融市場に大きく貢献した。22日に日銀の植田総裁がデフレではなく、インフレの状態にあると言及し、市場では3月や4月の会合で利上げに踏み切ると予想されている。

(Bloombergデータよりモノリス集計)
3.富裕層の公然の秘密/先週に引き続き
ゴールドマン、プライベートクレジットファンドを開始-欧州富裕層向け(日本語)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-21/S97AWST1UM0W00
ゴールドマンサックスが、富裕層向けのプライベートクレジットファンドGSECを立ち上げたとの報道。すでに890億円以上調達しており、欧州の非景気連動型中堅・大手企業へシニアローンとして貸し付ける戦略だ。つまり融資をして金利を稼ぐ。
先週のメルマガに引き続き、大手金融機関が富裕層向けのプライベートファンド商品を組成するトレンドが顕著に現れている。
同社は過去にも同様のファンドを組成している。
例えば2019年に組成し、現在も運用されているプライベートミドルマーケットクレジットファンドは約1,500億円の資金を集め、14社、合計730億円分を投資している。
主に、企業にお金を貸付け金利を稼ぎ、時には株式を買う戦略。ネットIRRは5.7%と報告されている。ネットIRR= 投資にかかった費用を差し引いたあとの内部収益率、つまりリターン。いずれ日本市場でもこのようなファンドが流行していくだろう。

(Blombergよりモノリス集計)
シンガポール、2024年度予算でファミリーオフィスの税制を延長および改正(英語)
シンガポール金融管理局(MAS)が実施するファミリーオフィススキーム(S13U、S130)は今年の12月31日に失効する予定だったが、2029年の12月31日まで延長する、と発表があった。
ファミリーオフィススキームとは、富裕層の資産を管理するファミリーオフィスを誘致する目的で設定された税制上の優遇。
例えば、ファミリーオフィスは親族のみを対象としたファンドの資産運用を行う資産運用会社を指しているが、通常のファンドマネジメント会社が必要とする免許が免除されることや、利子・配当・売却益等のいったファンドの所得が、法人税の免税扱い対象となる。今回の発表で、新たに変更点が加わるとされているが、詳細は今年の第三四半期までに発表するといわれている。
一般的なストラクチャー

このような優遇税制があって、シンガポールのファミリーオフィスは年々増加している。
9月30日までにどのような追加要件が発表されるかわからないが、
いずれにせよ富裕層はこぞってシンガポールへ向かうだろう。弊社も海外でのビジネスを強化したい。

(出所:Bloomberg)
4.金融コラム/エヌビディアよりも変動が大きいと予想される銘柄は?
先週21日、米半導体大手エヌビディアの株価は米国株式市場引け後に発表した予想を上回る四半期決算が好感され、時間外取引で急騰、時価総額が1290億ドルあまり増えました。
その結果翌日の22日(木)、
米国時間での終値は16.40%上昇しました。
この決算が発表される前、金融市場ではエヌビディアの株価は決算発表の翌日に
10.6%動くと計算されていました。
エヌビディアのオプション、決算発表後に2,000億ドル近い時価変動示唆

(上記ニュースより抜粋)
計算方法等は割愛しますが、この変動予想は市場で取引されているオプションのボラティリティデータ(変動率)をもとに算出されています。
そこで今回は、エヌビディアと同じグループに属している米国大中型株指数の構成メンバーの中で、
一番変動率が大きいとされる銘柄トップ3を抽出しました。エヌビディアよりも大きい変動が予想されています。(上下に変動)
第3位 ビルホールディングス(BILL US Equity)
概要
ビル・ホールディングス(BILL Holdings, Inc.)は持株会社。子会社を通じて、中小企業を対象に、バックオフィスの財務処理を簡素化、デジタル化、および自動化するクラウドベースのアプリケーションを提供する。世界各地で事業を展開。
数値
直近売上高は円ベースで1,675億円。売上総利益率は81.67%、営業利益率は-27.94%
次回決算予測変化率
15.52% 5月3日
第2位 スナップ
概要
スナップ(Snap Inc.)はテクノロジー・ソーシャルメディア・サービス会社。写真、画像、文書、動画などを送受信できるモバイル・カメラ・アプリ製品とサービスの開発に従事。世界各地で事業を展開。
数値
直近売上高は円ベースで6,474億円。売上総利益率は54%、営業利益率は-30.36%
次回決算予測変化率
16.11% 4月26日
第1位 シリウスXMホールディングス
概要
シリウスXMホールディングス(Sirius XM Holdings Inc.)は、衛星放送会社。各種チャンネルを介した音声の放送を手掛ける。放送は月決め料金制で米国全土に提供。コマーシャルのない多様なジャンルの音楽と、ニュース、スポーツ、天気予報、トークショウ、コメディ、公共ラジオ放送を配信する。
数値
直近売上高は円ベースで2.699兆円。売上総利益率は52%、営業利益率は21.74%
次回決算予測変化率
21.25% 4月26日
シリウスに関しては、既存顧客の高齢化、
自動車市場の不振、Spotify等の競争の激化により、
短期的には厳しい時間を過ごすことになるかもしれません。したがって、企業業績だけみるとこの変動は下落への変動かもしれません。
一方でポッドキャストや新しい衛星への投資等も行っているため、抜本的な改善を行うことができれば、長期的には成長を遂げる可能性もあります。
過去5年間の株価推移

(出所:Bloomberg)
実績がどのようになるのか楽しみです。
今週もよろしくお願いします。