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メルマガ: 116th 「利上げはエレベータ、利下げは階段、 /若手連続起業家は上場ではなくM&A」

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【目次】

1.今週の一言/実現したいこと

2. モノリスの活動日記/利下げはまだか、石油先物下落

3.さくっと先週のマーケット/若手起業家は事業売却が好き、ジュリアスベアCEO辞任

4.金融コラム/デラウェア州登記の会社、ーロンマスク総額550億ドルの報酬プランは無効


1. 今週の一言/実現したいこと

こんにちは。門垣です。

先日お仕事関係者の人から、実現したいことや目標は何?というご質問をいただきました。

手帳には仕事もプライベートも、ピンからキリまで人生のやりたいリストを書いているのですが、今年実現したいことリストの中に、サッカーチームに入る、がありました。(将来的にはサッカーチームを持ちたいと思っています。)

食事会でも、この願望を口にだしていると、たまたま社会人チームを運営している人で出会い、ぜひとのことでチームに参加。皆さん社会人なのに、バリバリ走れてて、すごかった。ささいなことでも、リストが実現すると嬉しいと感じましたね。誘っていただき感謝です。

個人的には、GMO熊谷さんの、

夢あるところに行動がある

行動は習慣をつくり

習慣は人格をつくり

人格は運命をつくる

が気に入っており、大切にしています。

さらに親友でもあり同世代の経営者の誕生日があったので、

今年はワインをプレゼント。

ワインは種類が多く、難しいのですが、

彼も会食が多く、

先輩経営者の方々と食事をすると教養の話にもなることが多いことから

これをきっかけに一緒に勉強できればということで、まずはスーパーセカンドといわれる、シャトー・ランシュ・バージュをチョイス。

お互いに、夢を実現していきたいなぁと思った一週間でした。

2. さくっと先週のマーケット/ 利下げはまだか、石油先物暴落

先月30-31日に開催されたFOMCの会合で、主要政策金利を据え置くことに決定。

インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信が強まるまで、引き下げは適切でないと、発表があった。引き続き、雇用とインフレ指標に注目し、政策決定を行う方針であるが、雇用統計は市場調査値が3.8%に対し、実績値は3.7%とサプライズ。また平均時給は$34.55ドルと円ベースでは5,000円を超える時代となった。ちなみに、日本の平均時給は1,004円である。
さらに、原油先物価格が-7.35%下落し、78ドルから72ドルへと着地。中国の経済鈍化、アメリカのような非OPEC諸国の原油供給への注目が集まった。紅海付近でフーシ派の船舶攻撃があるが、逆にこの事件がなければ、より価格は下落していると考えられる。

(Bloombergよりモノリス集計)

3.富裕層の公然の秘密/連続起業家の時代、ジュリアスベアCEO辞任へ

150億円EXITの起業家、MEDIX塚本大地氏。次なる事業は「競輪」「競馬」か

https://suan.tokyo/medix_reproduction

30歳の若手連続起業家塚本氏に関しての記事。これまでに事業売却と買収を4件ずつ経験してきたが、一番大きい売却はDeNAへのIRIAM(Vtuberアプリ)150億円の売却である。23年9月末のデータでは、ダウンロード数は231万人、四半期で15億前後の売上をあげていて、DeNAのライブストリーミング事業の成長を加速させている。ひと昔前の世代は、起業家=上場を目指す傾向であったが、最近は売却目的で事業を立ち上げる同世代の経営者が増えている。売却→立ち上げ→売却の繰り返しだ。特にニッチで、デジタルを駆使した市場で尖っている会社は常に大企業から声がかかるイメージ。先日も、上場企業に会社を売却した同世代の経営者と食事をしたが、数カ月単位で4つくらい事業を試し、5つ目くらいでたまたま当たったと言っていた。何がヒットするかわからないから、とりあえずスピード重視で、事業をまわすことがポイントだったよう。そしてまた新しい事業をしたいと言っていた。新しいことにチャレンジすることで心が満たされるのであろう。

塚本氏

ジュリアスベアCEOが辞任へ、シグナへの投融資で打撃

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-31/S84Z3RT0G1KW00

スイス大手プライベートバンクであるジュリアスベアのCEOが辞任する、との報道。オーストリアの未上場不動産会社シグナへの融資で大きな損失を被り、プライベートデット(個人貸付)から撤退するという。シグナの創業者であるレネ・ベンコ氏は、米国マンハッタンのクライスラービルディング、スイスの百貨店グローバス、ロンドンの高級百貨店Selfdifgesへ投資をしていたが、昨今の金利上昇により、借金返済ができず、子会社を破産させることとなった。ジュリアスベアも、約800 million スイスフラン(1,369億円)を清算するとした。ちなみに、ジュリアスベアCEOの2022年の年俸は約6.8億円だった。海外では、金利上昇により不動産投資が落ち込んできており、同様の事象が生じてきている。実際に、あおぞら銀行も、米国オフィス向けの不動産融資で損失に備える追加の引当金を計上し、24年連結業績見通しを240億円の黒字から280億円の赤字に修正している。

現在の日本は、金利が低く、不動産にはローンがでるため、多くの人が不動産投資をしているが、海外を教訓として危機への準備をした方がいいだろう。日本国民の9割が、日本の不動産は大丈夫と言っており、神話を信じているからだ。

レネ・ベンコ氏

4.金融コラム/デラウェア州登記の会社、イーロンマスク総額550億ドルの報酬プランは無効

イーロンマスク氏とテスラとの間に
あった契約のなかで、

総額550億ドル(約8兆1200億円)の報酬プランは
無効という判断を

デラウェア州の裁判所が下した。

モデル3がまだ世の中にでる2018年、
テスラはマスクに対して、

時価総額、売上高、利益といった目標を達成するごとに

一定のストックオプションを付与する契約をとった。

当時の企業価値$60 billionを$600 billionに引き上げることができたのであれば、

つまり企業価値を10倍にすれば、今回のストックオプション報酬にするとしていた。

この時のテスラは、資金繰りに苦戦をしており、

マスク氏は給与ももらっていなかった。

今回、その目標に達したことで、

巨額の報酬を得ることになっており、当時はマスク氏を除く8割の投資家が賛成していたが、一部の投資家による批判がでたことによって、

今回の裁判へとつながった。

テスラのストックオプション金額推移(円換算)

(出所:Bloomberg)

今回、驚いたこととしては、報酬をとりすぎているとして、2019年に法的措置を起こしたテスラの株主であるリチャード氏は、テスラの株をたった9株しかもっていなかったことだ。テスラが発行している株数は31億株である。

この投資家は、そのうちのたった9株しかもっていなかったのだ。

そして、リチャード氏はメタルバンドのドラマーであった。

また、この手の訴訟をするのを趣味としているらしい。

(左:イーロンマスク氏、右リチャード氏)

本当に米国はダイナミックな国だと思う。

資本市場の権化であり、

株主、経営者、役員、従業員の役割がしっかりと成り立っている。

マスク氏は、現在テスラの株を13%保有しているが、

今後、AIへの投資を行い、テスラをさらに進化させたいということもあり、

お金はいらないが、議決権は欲しいと言っている。

この点に関しても、マスク氏は株主としても、経営者としても、

自分の立ち位置をよく理解している素晴らしい実業家だ。

マスクのような、人類を一歩先へ進めることができる実業家の意思決定をなくしては、世界は前進しないと思う。

テスラの株主

(出所:Bloomberg)

今回判決を下した全米で2番目に小さいデラウェア州には、米国S&P500に含まれる企業のうち、約7割が法人登記をしている。(赤丸)

今週も宜しくお願いします。

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