ポッドキャストはこちら

メルマガ: 92th 「フェラーリの経営/富裕層は運動が好き」

メルマガ

【目次】

1.今週の一言/小さなお休み

2. モノリスの活動日記/モノリスの運用助言業が加速か

3.富裕層コラム/富裕層関連ニュース

4.経営コラム/フェラーリの経営


1. 今週の一言/小さなお休み

こんにちは。門垣です。

世間は先週から今週までお盆休み。

金融市場は刻々と動いているため、モノリスのカレンダーは世界標準で、基本的には仕事。しかしながら、リフレッシュもかねてゴルフへ。

台風が来る前であったため、かなりの晴天で体力は消耗したものの、自然を満喫することができ、良い休日となりました。

運動すると気分が良くなり、体が軽くなり、健康になります。

心身ともに鍛えること、

運動は大切だなぁーと思った一週間でした。

2. モノリスの活動日記/モノリスの運用助言業加速か

日経新聞が、2日連続で運用助言業について報道しました。

まさに、モノリスの主軸である運用助言業についてです。

8/10 金融リテラシー高めるには 中立的立場からの助言重要

8/11 あなたは資産活用のアドバイスに代金を払えるか

人生設計をすることや、
資本主義社会で生きていくためには、

金融リテラシーが必要であることについて言及しています。

経済協力開発機構(OECD)によると、金融リテラシーとは、「金融に関する健全な意思決定を行い、究極的には金融面での個人のウェルビーイング(心身の健康や幸福)を達成するために必要な金融に関する意識、知識、技術、態度および行動の総体」と定義しています。

記事には、

・金融リテラシーを向上させるには、学校教育で金融を取り入れること

・教員を教育すること

・商品売買にお金を支払うのではなく、中立的なアドバイスに対価を支払うこと

等、重要なことが記載されています。

記事には若者について言及していますが、富裕層であっても、金融面について、相談する人がいなかったり、知識不足であったことがゆえに、詐欺まがいのことにあったりすることも多々あります。

運用面でも、目的をもった運用を行わず、とりあえず銀行や証券会社に預けている人も多くいます。また、例えば、富裕層は債券運用が多いのですが「債券は満期保有」が染みついており、金融市場は日々動いているのに、一度買えばその後は満期まで何もしなくてよい、と考える人も多くいます。(一例です。満期保有する場合もあります) 

会社の財務面では、未上場企業やオーナー経営の場合は、金融のスペシャリスト(CFOや財務部等)がいないケースが多いです。

銀行借り入れ、M&A、財務の健全化、会社経営に関しても、金融の専門家を雇用せず、あるいは、委託しないで経営した結果、キャッシュフローが悪くなったり、お金余ったからとりあえず節税したいと税理士に聞いたり、会社を買収して拡大しようと思っても財務面でどのように対応したらいいかわからなかったり、不必要な資産が財務基盤を悪化させていたり、個人のお金も思ったより貯まらなかったり、あらゆる悩みを抱えている人が多くいます。

幼少期から学校でお金について学んでいれば、

「知らなかったから損をした。知識がなかったから、本当は色々できたのに、何もできなかった」ということがなくなります。

今の社会人は、学校(義務教育)でお金について教えてもらったことがないので、仕方がないと思っています。

だからこそ、日本政府は学校でも金融教育をどんどん進めてほしいですし、民間企業も、さらに助言ビジネスを促進させてほしいですね。

3. 金融コラム/富裕層関連ニュース

今回は、気になった富裕層に関連するニュースを
ピックアップし、コメントをします。

フェラーリ運転する女性が中国で増加-購入者全体の25%超に

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-09/RZ4BBHT1UM0W01

中国市場は、5年前と比較して、フェラーリの販売台数が2倍以上の1,600万台に到達。21年の日本市場は1,237台と言われているため、フェラーリにとって、アジアが中国で最も重要の位置付けとなるのは間違いないだろう。昨年の世界の売上は日本円にして7,000億円だが、その内中国は12.2% その他のアジアを全て足した合計の売上構成比は12.6%。弊社モノリスのお客様もフェラーリを保有している方も多く、理由は様々であるが、リセールバリューが高い、つまり価値が落ちにくいことが挙げられる。

ベゾス氏、98億円超でフロリダの邸宅購入-超富裕層のみ住む島で

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-11/RZ874RDWRGG001

アマゾンの創業者ジェフべゾス氏が、フロリダ州マイアミにあるインディアンクリーク島に自宅を購入した、という報道。「第67号 週刊モノリス 景気後退-保有資産を見つめ直し、NYからマイアミへ」でも言及したが、フロリダは税制優遇されていることや、生活費用が安く、かつ治安もよくなっているため、昨今は、富裕層が移住したり、大企業が本社を移転している。州の所得税がないこともメリット。

インディアンクリーク島は、41の家しかない、富裕層の為の人工島。トランプの娘イバンカ氏なども住んでいるみたい。誰にも邪魔されず、天気の良い海辺で、ゆったりとした人生を過ごしたい、という富裕層も多い。日本でも限られた人のみが住める島などがあればいいのに。

NY高級マンション、最新トレンドは2つのプール-富裕層の争い回避

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-08/RZ2V2IT0AFB401

富裕層が好む高級物件にはプールを2つ建設するトレンドが生まれてきた。

子供はもちろん、経営者や高年収のサラリーマンなど、富裕層は運動する習慣があるためジムやプールはかかせない。日本では今月8日、森ビルが35年の年月をかけて築き上げた麻布台ヒルズをメディアに公開した。屋上にはインフィニティプールが建設される予定だという。どれだけお金を持って、優雅な生活を過ごしていたとしても、健康でなければ人生は楽しめない。健康第一。

4.経営コラム/フェラーリの経営

輸入状況

日本自動車輸入組合のデータによる車名別輸入車新規登録台数によると、1966年から日本に一番輸入登録されている車はフォルクスワーゲングループで約180万台であることがわかりました。車種別では、6年連続BMW Miniが一番登録されています。(毎年18,000~25,000台くらい)

ちなみに、前のコラムでふれたフェラーリは1979年からのデータで21,062台です。年平均でたった478台です。輸入メーカー75社のうち33位につけています。

基本的に、フェラーリは過去にたくさん購入した顧客に、新しいタイプの車種を販売するみたいです。いままでに、どれだけ貢献したかがポイントになり、おそらく顧客ランク的なものがあると言われています。(抱き合わせ販売みたいなのもあるとか….) 加えて、最近でさえも一年間で1,000台強しか輸入登録されないので、なかなか手に入らない理由がわかりますね。

横軸:年 縦軸:輸入登録台数

(日本自動車輸入組合データよりモノリス作成)

昨年、メーカー初となるSUVプロサングエも販売開始し、SUVでありながらもスポーツカーらしいエレガントなシルエットを提供しています。

(GQより抜粋)

業績

下図は、フェラーリとその他高級メーカー(左からフェラーリ、メルセデス、アストンマーティン、BMWグループ)の売上(青)、粗利率(緑)、営業利益率(赤)です。

フェラーリの直近2ヶ月売上高は約8,000億円ですが、粗利率が48%、営業利益率が24%と、高級車メーカーの中でも群を抜いて高い利益率を維持しています。2016年から2022年にかけた売上年平均成長率も11%であり、高成長していることがわかります。

2025年にEV車を発売する予定であり、設備投資や支出が多くなると言われていますが、主にインバーター、バッテリーパック、Eビルディングの製造設備構築に向けたインフラ投資を加速させるようです。

また、下記図でご覧いただけるように、研究開発(R&D)は年々増加しています。昨年22年通期は約1,070億円も投資しています。

(出所:Bloomberg)

フェラーリは少数生産戦略ですが、約800のサプライヤーと40,000以上の部品からなるサプライチェーンを構築しています。

トップ10のサプライヤーの合計調達コストが20%しか占めないため、コロナ期間中でもサプライチェーンに大きな支障がでず、高利益率を維持しています。生産はイタリアマラネロで行っています。

今までマセラティにエンジンを提供していましたが、今年中には終了する予定であり、これによって利益率があがるのではないかとも言われています。

さて、時代はEVになっていますが、フェラーリは今後もエンジン車を継続する意向をだしており、一台当たりの利益は€157,000(約2,500万円)に到達すると言われています。

製造販売以外で、2番目に大きいフェラーリ収入源は、スポンサーやブランド販売です。22年通期のスポンサー、ブランドからの売上(収入等)は約660億円で、売上構成比の9.4%です。

財務

財務に関しては、ROE(株主資本利益率)が38.7%、ROA(総資産利益率)が12.7%であり比較的健全な経営をしています。メルセデスは18.6%, 5.97%。

企業の負債返済能力を示す純債務対EBITDA(税引き前利益+減価償却費+支払利息)は、0.8%と純債務よりも稼いでいるお金の方が大きく、健全な経営をしていると言えます。

現金比率(現金/流動負債)は0.7%とメルセデス0.3%と比較しても良好な数字でありこちらも健全といえるでしょう。また、自己資本比率は33%です。こちらはメルセデスグループとほぼ同じです。

株や債券

最後に株や債券について。

株価は過去8年間で5倍になっています。
リターンでいうと537%です。

(出所:Bloomberg)

債券は、2020年に発行した満期が25年の1銘柄です。

クーポンは1.5%、13日時点での利回りは約3.8%です。

格付け機関による格付けはついていません。

フェラーリやフェラーリのスポンサーに興味がある方は是非ご連絡ください!

今週もよろしくお願いします。

YOU MAY ALSO LIKE