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メルマガ: 90th 「映画業界裏側とAI、ファミリーオフィスはAIへ投資」

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【目次】

1.今週の一言/映画の裏側

2. モノリスの活動日記/少しずつ

3.金融コラム/ファミリーオフィスがAIへ投資

4.経営コラム/映画業界とAI- ハリウッドとストライキのNETFLIX


1. 今週の一言/映画の裏側

こんにちは。門垣です。

今週はミッションインポッシブルの映画を見に行きました。

製作費用250億円を投資しただけあって、

アブダビ、ローマ、ヴェネツィア、ノルウェーなど世界各地撮影され、

とてもダイナミックなアクションがありながらも、

AI世界をテーマに描くストーリーはさすがハリウッド、と感じた作品でした。

今週、お客様と打合せをしていたときに、

「なぜハリウッド映画は日本で撮影をしないのか」という話になったのですが、

大きな理由として、日本は【プロダクションインセンティブ制度】を
採用していないからだと教えて頂きました。

この制度は、各国政府が、ハリウッド映画などを誘致するために、製作費用を補助する制度です。

例えば、南アフリカで、100億円の撮影をした場合、製作会社は現地の宿泊施設、
レストラン、人材、施設、機材等に製作費を支払って撮影をします。

そして最後に、南アフリカ国が製作会社に対して30%を補助します。
つまり30億円を支払います。

そうすることで、南アフリカは実質70億円の外需を獲得することができると同時に、
製作会社は100億円必要だったところ、70億円で映画をつくることができます。

世界各国はこの制度を活用して、補助率を増やし、
映画の誘致をしていますが、

日本は取り入れていないのです。

大都会があり、大自然があり、美しい文化もある日本だからこそ、
ハリウッドは日本で撮影がしたいのですが、
この制度がないから進出できていないのです。

日本は既得権益のせいで、
ビジネスがうまくないなぁと思った一週間でした。

  1. モノリスの活動日記/コンテンツ拡充

引き続き、運用部門に関して、

・富裕層向け資産可視化ツールの提供
・情報コンテンツの拡充
・グローバル金融機関とのネットワーク

等に力を入れています。

こんなサービスがあったらいいな、

とご意見ありましたら、ぜひお願いします。

2. 金融コラム/ファミリーオフィスがAIへ投資

RBC Wealth Management レポート2022によると、
昨年時点で、北米のファミリーオフィスの48%が
AIに投資していることが明らかになりました。

Business Insider の記事でも、ファミリーオフィスがAIに
投資していることについて言及しています。

  1. ヘッジファンドの巨人、スタンリー・ドラッケンミラー氏→半導体メーカーのエヌビディアの株
  2. グーグルの元CEOであるエリック・シュミット氏→新興企業のミストラルAIに投資
  3. アイルランドのファミリーオフィス、エルクストーンは、AIを活用するベンチャー企業へ投資

ただ、富裕層の資産を管理するファミリーオフィスは積極的な成長投資よりも、
長期的な保全を優先する投資スタイルです。

基本的には債券運用をベースに、ポートフォリオを分散させる目的で、

・株式

・不動産

・コモディティ

・ベンチャーキャピタル/ベンチャー企業

・ヘッジファンド

等に投資をしています。

株等に関しては、富裕層オーナーが自分の知っている業界に投資する傾向があったり、
IT以外の分野で財を築いた人は、AIについてわからないこともあるため、
投資をしない人も多いみたいですね。

また、AIについては、ファミリーオフィスの従業員にゆだねるオーナーも多いとか。

しかしながら、昨今のAIブームにより、
企業がたいしたAIを取り入れてるわけでもないのに、性能等を誇張する
【AI ウォッシング】という言葉も流行し始めているため、

本当に何をやっているのか、真実を突き止める必要がありますね。

さて、日本の企業側では、帝国データバンクのアンケートによると、
AIを活用・検討している企業は6割を超えていると発表がありました。

まだまだAIについての成功事例は少ないみたいですが、
お客様と話しているときでも、Chat GPTについてや、
各業界でAIがどのように活用できるかなど、

話題になるので、AIが注目されていることを実感しています。

映画も、本も、ネットも、会話もみんなAIについて話しているので、

遅ればせながら日本でも本格的なAIトレンドがきたか、という感じですね。

肌感覚ですが、ほとんどの人がChat GPTを使ってないです。

まぁモノリスのお客様はオーナーの方が多いので、

自分で手を動かす必要がない方々がほとんどなのですが。

一例ですが、AIは以下のような活用方法があるみたいです。

  1. 予測分析: 需要や流入量の予測(各業界)
  2. 画像解析: 細胞の検出などの医療分野での活用。
    作業動画解析、対象物トラッキング(製造業界)、レシート/OCR(小売り)
  3. 言語解析: チャットボットの開発や、文書の分類、
    感情分析(ネガティブ/ポジティブ)などへの利用 (各業界)
  4. 最適化: 運送や物流業界では、配送ルートの最適化分析。在庫管理(製造/小売り)

他にも様々な活用方法があります。

将来的には、AIが人間と同じレベル、あるいは超越し、

シンギュラリティの時代がやってくると思っています。

個人的な感覚では、結局、人間は、人間らしさを求め、
昔の時代のような生活を求めるようになりますが、その時はすでに遅し。

人間ではAIを止められず、
AIが人間を支配するようになり、
まさにSF映画の世界になるかなと思っています。

あるいは、イーロンマスクが言うように、

人類はすでに仮想空間、シミュレーションの中で生きているかもしれません。

AI世界はワクワクしますが、

人間世界はドキドキします。

これが違いだと思っています。

4.経営コラム/映画業界とAI – ハリウッドのストライキとNetflixの新たな動き

ハリウッドでストライキが起きていますね。

ハリウッドの俳優労働組合(SAG)、全米脚本家組合(WGA)がストライキを起こして、
映画関連のイベントや活動が軒並みストップしています。

理由は、賃上げ、労働環境改善、AIへの規制です。

具体的には、

・元々NETFLIXのような映画ストリーミングサービスが始まる前は、映画の後の二次利用(テレビ、DVD等)からの売上は、脚本家や関係者にお金がまとまって支払われる仕組みだった。

しかし、現在はストリーミングが主流であるため、ストリーミング回数なども開示されないことから、お金は支払われているが微々たるもので、明確な基準がわからない状態

・またNETFLIX等は独自のコンテンツを配信するため、それに関しては二次利用代金は支払われていない

・脚本家が書いたストーリーをAIに学習させている。

・エキストラ俳優などのレプリカをAIで作成し、俳優の出演機会が減っている

など様々な複雑な問題が生じています。

ストライキは、AIを辞めろ!とは言っていませんが、ルールを設定したり、
俳優の権利を守るなど、意見が飛び交っています。

ちなみに、日本でもDVDがまだ販売されている理由は、

この二次利用報酬制度があるからだそうです。
この時代にDVDを買う人は少ないですが、多少なりとも、脚本家等に収益が入るため。

さて、今後、映画業界がどのような対策を施すかわかりませんが、

この状況をみて、NIKEとマイケルジョーダンの事例を思い出しました。(映画 AIR)

かつてNIKEが、マイケルジョーダンがまだNBAのコートに立つ前に、
スポンサーを獲得するために、業界で初めてエアジョーダン(シューズ)の売り上げの一部を
マイケルジョーダン本人にシェアする契約を結び、業界を一気に変えました
。(ジョーダンと契約の前に、同様の手法をPro Clubという名前で、
他の選手にすこしやっていたみたいですが)

今までは、選手はスポンサー料のみの収入だったのです。

ジョーダンは、アディダスやコンバースとの契約する方向で考えていたと言われてますが、

NIKEがまだバスケ界でスーパースターを産んでいなかったことや(他のメーカーだと、有名選手がいっぱいいるので、面白みがない)、

上記の契約をNIKEが受け入れる方針を示したことに対して、

ジョーダンはNIKEに決めたと言われています。

個人的な意見としては、

映画業界でも同じような変革が起きる可能性があると思っています。

例えば、映画の製作に関わる全ての人々が、
NETFLIX等のストリーミングサービスから売上の一部を受け取れる
新しいビジネスモデルをやるかもしれません。

以前と違って、購読者、場所、時間帯、どのような映画をみているかなど、
昔よりデータがあるので、出来ないワケがない、と思っています。(プライバシー問題はありますが)

業界からは反対されると思いますが。

さて、そんなコンテンツ作成&配信を手掛ける
ネットフリックスのような映画業界は、AIを活用しています。

・映画レコメンデーション
・個人個人に合わせたサムネイル画像の変換

・ストリーミングの最適化

・需要予測

・各種データ分析

また、ストライキ中にもかかわらず、NetflixやディズニーがAI関連の求人の募集を加速させています。

例えば、NetflixはAIプロダクトマネージャーを募集し、年間最大90万ドルの報酬を提示しています。(約1.3億円)

最後にNetflixの株価について。
過去5年の株価のトータルリターンは27%、今年は44%

(出所:Bloomberg)

最近の動向

・ユーザー数は2億3250万人
・アカウントを有料で共有できるようなビジネスモデルの構築
・昨年導入した広告付き低価格プラン
・マイクロソフトとの広告プランの販売・テクノロジーパートナー取り組み

7月20日株に株価が8%も下がりましたが、
今度上記の施策が株価にどのように反映されるか。

非常に楽しみです。

今週も宜しくお願いします。

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